暗夜鬼譚 春宵白梅花
元服したばかりの少年・夏樹は、元服して国司の父の元を離れ、近衛府に勤め始めたばかり。ある晩、夏樹は御所内の闇に立つ馬頭鬼と、この世の者とも思われない美少年を目撃、さらに鬼に襲われたと思しき女官の惨死体が発見され、御所内は大混乱に。自分の目撃したものが事件の鍵を握ると考えた夏樹は、美少年=陰陽生の少年・一条と共に、事件の謎を解こうとするが。
20冊近く刊行されている平安ファンタジーシリーズの第1巻。お人好しで熱血漢の武官(貴族)と、ミステリアスで美形な陰陽師のコンビというのは、もはやこの類の作品では定番と言えますが、この作品ではこの主人公コンビをはじめとして、登場人物が少しずつひねってあって、楽しく読むことが出来ました(馬頭鬼のキャラ造形にはひっくり返りました)。ストーリー的には、女官殺しの犯人自体は目新しいものでないのですぐに察しがつくものの、しかし、そうなってしまった理由が何とも切なくそれなりに印象的に描かれており、ドラマとしては及第点でしょう。まだキャラクター紹介的な雰囲気もあるので、続巻が楽しみ。
あと、そっち系の女の子向けにあざといシチュも用意しているところがあざとくもある意味手堅いといいますか。
「暗夜鬼譚 春宵白梅花」(瀬川貴次 集英社スーパーファンタジー文庫)
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