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2004.01.26

斬剣 冥府の旅

 庶民が旅を楽しむようになった江戸時代、旅の危険を防ぐための用心棒、同行屋という稼業があった。同行屋・橘屋幸助のもとで腕を奮うは新当流の達人・桜見歓十郎に男装の女剣士・露木雫。いずれ劣らぬ腕前の同行屋が、人生の旅路を行くわけありの旅人を護って活躍する。

 本日読了。「同行屋」というなかなか面白いプロフェッショナルたちを主人公にした連作短編でした。江戸時代は庶民が旅を楽しむようになった時代、というのはなかなか盲点で、そこに着目しての同行屋という職業の設定は良いアイディアだと思います。キャラクターも皆一癖ある者ばかりで面白く、特に無表情系(一昔であればアヤナミ系)の女剣士・雫と、初めは同行屋の客で、その生き方に憧れて同行屋の仲間入りをする泉阿弥(先祖が吉良上野介で、殿中での刃傷沙汰を防ぐために無手の武術を身につけたという設定が秀逸)がユニークなキャラで印象的でした。
 が、残念なのがその文体――というか台詞回し。登場人物の台詞であまりに多くのことを説明しようとしすぎているのか、説明的な台詞や独り言が多すぎる印象を受けてしまいました。設定やキャラはユニーク、ストーリーも水準と来て、台詞回しで減点というのは非常に残念なことです。今後に期待。


「斬剣 冥府の旅」(中里融司 光文社文庫)


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