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2004.01.29

「超」怖い話Γ

 本日フライングゲット。既に復活3冊目、半年に一度のペースも板に付いてきたのではないでしょうか。怪談ジャンキーとしては非常にありがたい話です。平山夢明氏のお体が真剣に心配ですが。

 さて、読了して、全話通しての感想を(さすがにフラゲしておいて個別の話について感想書くのはマズいでしょう)。まず、「面白さ」という点では、近年有数の出来映えでしょう。簡単すぎずクドすぎず、適度にユーモアを交えての話運びは、既に円熟の域。特におそらくは加藤氏担当と思われる話など、かねてよりの素っ惚けたような語り口が実に楽しく、怪談なのに妙に呑気な雰囲気で、思わず噴き出した話も(さすがに2ch語オチは反則だと思いますがw)
 が、「「超」怖い話」シリーズの一冊として見てどうか、というと少々微妙な気がしないでもありません。(特にここしばらくの)特徴である、生者も死者も狂っているとしか言いようのない凄惨な世界を描いた話は比較的少なく、また、個人的にはこのシリーズの最大最高の魅力と感じている、よそでは到底お目にかかれないような、不可思議な話、因果因縁では説明できないようなわけのわからない話も、同様に少なめだったように感じます。
 もちろんこれは、怪談ジャンキーと化した自分がすっかり慣れてしまった、というのがあるのかもしれませんが、やはりある程度意図的に話のチョイスを、そして作風を変えてきているのかな、という印象はあります(とか言って平山氏のパソコンのデータが飛びまくったのが一番大きかったりして)。例えるならば、これまで豪快なスイングで当たればホームランというプレイだったバッターが、巧みに様々なところに打ち分けるアベレージヒッターに転向した、というところでしょうか。
 正直なところ、熱心なシリーズのファンの中には「アレ?」と感じる人も多いのではないか、という気もする一方で、復活後のあまりにヤバいネタの連発ぶりから考えると、これからこのシリーズを手に取る人にとっては、これくらいで丁度良いのかな、という印象もあり(正直、ビギナー、例えばちょっと怖い話が好きな女の子とかには前の2巻は勧めづらい…)、もしかするとこれからのシリーズの路線がこのΓの受け入れられ方如何で決まるのではないか、という気さえします。

 ただ、最後に誤解のないように書いておきたいのは、あくまでも前の巻に比べて比較的少なく私が感じたというだけで、洒落にならないほどおぞましく恐ろしい話はもちろんこのΓでもこれでもかと描かれており(ラストの話は平山節全開で◎)、そしてまた一読「???」が頭の中に並ぶような奇妙で魅力的な話もまだまだ健在で、怪談本としてのクオリティは相変わらず高い、ということ。私はこのシリーズのファンでいて良かったと常々思いますし、今後も(今年は色々と仕掛けがあるようですし)大いに期待しております。

 というわけで、おそらく日本で一番…と言わないまでも相当早いであろうΓの感想終わり。個別の話の感想は、また少し日にちが経ってから書きたいと思います。


「「超」怖い話Γ」(平山夢明&加藤一 竹書房文庫)


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