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2004.02.17

江戸あやかし舟

 黒船が来航して世情騒然としつつあった江戸。大川での船遊びに侍っていた柳橋芸者の音丸と幇間の藤八の乗る屋形船を、海坊主とも人魚ともつかぬ怪物が襲った。腐肉のような臭いを放ち、美女の顔と手を持つ藻の固まりともいうべきそれをかろうじて撃退した藤八らだが、その後も海坊主は出没、ついには犠牲者が出てしまう。一連の事件に興味を持った音丸は、一人調べを始めるが、彼女にも魔の手は迫っていた。

 本日読了。竹河聖先生の長編時代小説第一作、しかも伝奇時代小説ということで期待していたのですが、それに違わぬ良作でした。主人公の音丸は武術の心得があるわけでも超能力を持っているわけでもない、ごく普通の女性で、作品として派手さは欠けますが、ホラー描写はさすがにお手のもの。水の街・江戸の水路を跳梁する水魔とも言うべき謎の怪物の描写は、決して露骨ではないものの、じわじわと迫り来る恐ろしさで印象に残りました。「伝奇時代小説」と謳われているものの、内容的にはむしろ「時代ホラー(サスペンス)」と言うべきでしょうか(もちろん、そんなケチなジャンル分けなどはこちらの勝手な区別に過ぎないのですが)
 何はともあれ、竹河先生はこれからもホラー色のある時代小説を書いて行くとのこと、今作もいくらでも続けられそうな内容ですし(人によっては「えっここで終わり!?」と思うかも知れません)、まずは続編をお願いしたいところです。いずれにせよ、このサイト的に注目すべき作家がまた一人増えました。


「江戸あやかし舟」(竹河聖 双葉文庫)


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