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2004.02.23

「源平天照絵巻 痣丸」第1巻

 時は1191年、頼朝打倒を図る巴は、ある元平家の武将を訪ねる。自ら顔を焼いた痣を隠すため仮面をつけたその男――悪兵衛は、巴の願いをにべもなく断るが、巴が異形の怪人に襲われた時、痣丸なる剣と共に立ち上がる。名を捨て、顔を捨てた仮面の復讐鬼、悪兵衛またの名を平景清。彼が立ち向かうは、黄泉返った源氏の魔人団・八十面党。呪いと怨みを込めた痣丸と共に、悪兵衛の戦いが始まる。

 本日購入。連載時から、比較的珍しい鎌倉初期を扱った伝奇ものということで気になっていたのですが、単行本になってからまとめて読もうと思い、今日まで我慢してきたのですが――いや、面白い! 内容的には、草薙剣を手にした平景清が魔人と化した源氏一門に立ち向かうという「あれ、どこかで聞いたことあるぞ?」的ストーリーなのですが(とりあえず作者はバイク事故には気を付けて欲しい)、とにかく主人公の悪兵衛=景清のキャラクターが秀逸。
 姿を隠すために自らの顔を焼き、その痣が残る醜い素顔を愛刀・痣丸にのみ晒す、一種屈折した復讐鬼という人物造形は、その仮面の下の秘密もあいまって、実に印象的で格好良い。景清が復讐鬼というのは、よくある定番の設定ではありますが、そこに狂気すら感じさせるクールな個性を与えたのはなかなかに見事と思います。
 敵となる源氏方も、普段は巨大な烏の羽根を持つ美青年・義経が、まだ出番はさほど多くないものの面白い個性を見せており、また、ラストには源氏のもう一人の猛将というべきあの人物までが登場、この先の展開がいよいよ楽しみです。
 ただ一つ、巴のキャラが非常に現代っ子しすぎていて、その描き方ともども違和感を覚えたのですが、これはどうも作者の計算の上のことのようですね。

 作者と言えば、作者のサイトのここを見てひっくり返りました。別の連載が始まるのかと思いましたよ…


「源平天照絵巻 痣丸」第1巻(玉置一平 MFコミックス)


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