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2004.02.09

国姓爺合戦(文楽)

 昨日、国立劇場で見てきました。上演されたのは、和藤内(=鄭成功)が猛虎と韃靼兵を敵に回して大暴れする「千里が竹虎狩りの段」。和藤内の異母姉・錦祥女と、和藤内の父の再会を描いた「楼門の段」、そして錦祥女と彼女の夫で敵側の将軍・甘輝、そして和藤内の母の織りなす複雑で哀しい人間模様「甘輝館の段」「紅流しより獅子が城の段」。席が前から中央前から3列目という非常に良いポジションだったおかげで、人形の表情の変化から指先の動きまで、じっくりと見ることが出来ました。

 和藤内と虎の暴れっぷりが楽しい虎狩りの段も良いのですが、やはり圧巻はラスト2段で、肉親への情から和藤内に付くよう夫を説得する錦祥女、味方を決心するも女のために裏切ったと思われるは恥辱と妻を殺そうとする甘輝、そして血の繋がらぬ娘とはいえ娘が殺されるのは見過ごしにできぬとかばう和藤内の母の想いの交錯…というよりぶつかり合いは、派手な荒事よりもダイナミック(でも途中寝ちゃったりしたんですが(爆))。
 そして夫を起たせるために自決した錦祥女が、苦しい息で語りかけるシーンは、文字通り入魂としかいいようのない凄まじさで、もはや見ているこちらには後ろの人形遣いの方々の存在は目に入らず、舞台の上にいるのは人形ではなく一人の血の通った女性にしか思えないという状態。まさしく入魂とはこのことなのでしょう。

 それにしてもこの舞台では女性陣の動きが見事で、決して派手な動きをするわけでないにもかかわらず、ちょっとした所作で女性らしさや心の動きを表現する様には感心しました。ストーリー上の位置といい演技(あえてこう言わせていただきます)といい、もう主役は女性陣二人で、和藤内たりは完全に脇のように思えてきました。正直、男のために女性が自らを犠牲にするという展開は現代人の目から見るとちょっと…と思うこともしばしばですが、昨日はこの素晴らしい演技のためか、素直に感動することができました(でも、錦祥女が死にかかって苦しんでる時に、正装に着替えてくる男二人はさすがにどうかと思う)。
 今週末は 「曾根崎心中」と「仮名手本忠臣蔵」を見る予定。


 と、ここで頭の悪い感想を。虎狩りの段では、当然虎が登場するわけで、果たして文楽の世界で虎をどのように表現するのだろう、やっぱり四足歩行の人形なのか!? と密かに期待していたんですが、そこに登場したのは…虎の着ぐるみでした。そりゃねえだろ、と思いつつ、妙に可愛いビジュアルと動きは萌えでした(メタルゲラスやオートバジンに感じるそれと同種の)

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