夜叉姫恋変化 暗夜鬼譚
秋の野で出会った美少女・常陸の君に一目惚れした夏樹。しかし常陸の君には、こともあろうに主上も一目惚れしてしまうのだった。一方、都では残虐な盗賊・俤丸が跳梁し、宮中では物の怪の出没が相次いでいた。俤丸一味、そして物の怪に一条の手を借りつつ立ち向かう夏樹だが、その両者と常陸の君には意外なつながりがあった。
「暗夜鬼譚」シリーズ第3弾。読本、歌舞伎などで有名な滝夜叉伝説をモチーフに、オールスターキャストで展開されたシリーズ初の上下巻本で、理屈抜きで楽しめました。内容的には、ベタな三角、四角関係が展開されて、いい年こいた野郎が読むには非常に気恥ずかしいものがあったのですが、終盤で明かされる滝夜叉の「真実」には驚かされました。ネタ的にはよくあるものなのですが、それがここで――妖術や幽霊が当たり前に出てくる世界で――出てくるとは思わなかったのもので、嬉しい驚きを味わいました。
個人的には、夏樹と一条の友情にもう少しスポットを当てて欲しい気もするのですが、その辺は一歩間違えると怪しからぬ世界に突っ走ってしまいそうなのでまあ良し。
「夜叉姫恋変化 暗夜鬼譚」全2巻(瀬川貴次 集英社スーパーファンタジー文庫)
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