「弩」怖い話~螺旋怪談~
「超」怖い話シリーズの加藤一氏がピンで送る怪談集。タイトルにあるように「超」怖の姉妹編に当たる怪談集で、実話を短編小説の形に整えた怪談集といった趣でしょうか。。氏が本書の前書きで、「超」怖が引き算の怪談とすればこちらは足し算の怪談、と実にわかりやすく述べているように、恐怖の中枢にディテールを積み重ねてリアリティを増していく手法が撮られています。この新しい試み、個人的には最近の「超」怖い話には長めの話も多いこともあって、是とも否とも感じなかったのですが、登場人物の名前に注目すると、怖さが何割か増すという構成はうまいものだな、と感心しました。
本書にはもう一つの試みとして、ネット上に、というか2ch上に書き込まれた怪談をベースとした作品も収録されていますが、つい最近発売された2chの怪談本が特に原著作者に確認を取らずに本を発行した(そしてネット上の著作権を甘く見てもの凄い吊し上げを食った)のと対照的に、こちらでは原著作者と連絡を取り、許可を受けたもとで掲載しているとのこと。2chのオカルト板に書き込まれる怪談には、非常に秀逸なものも多いだけに、クリアすべきところはクリアして、より多くの怪談ファンの目に触れるように公開するこういう試みは大歓迎です。今後にも是非続けていってもらいたいですね。
ちなみに2ch発の怪談のうち一編は僕も以前元スレの方で見ていたものでしたが、これ、オチが非常にネタ臭くて萎えた記憶が…個人的な感想ですが。
何はともあれ、前回の「超」怖い話Γ同様、飛び抜けて凄まじいものはないものの、かなり高レベルで手堅くまとめた怪談集として、楽しく(?)読むことができました。個人的にはタクシー怪談「客を拾う」がベスト。ラスト近くまできて、ようやく「そうかそうだったのか!」と堀口博士チックに驚かされました。
是非ぜひ、続刊を希望。
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