血染雪乱 暗夜鬼譚
夏樹のいとこの深雪に文を送る者が現れた。それが事もあろうに一条の師・賀茂の権博士であると知った夏樹は、深雪の真意も知らずに権博士の真意を探ることを請け負う。一方、都の魔所の一つ・河原の院では鬼による吸血殺人事件が発生。被害者が夏樹の友人の武士・弘季の親友夫妻であったことから、弘季に同行して鬼退治に向かう夏樹だが、彼の前に現れた鬼は、権博士と瓜二つの顔をしていた。
まだまだ平安ものを。「暗夜鬼譚」シリーズ第4弾は権博士から深雪に送られた文にまつわる騒動を縦糸に、その権博士と瓜二つの吸血の鬼の謎を横糸に展開。すっかり軌道に乗ったシリーズものらしく、レギュラーキャラのからみだけで楽しく、安心して読むことができますが、その一方で、権博士の弟の、兄への複雑な想いが悲劇を起こす様も織り込まれていて、単なるキャラもの小説に終わってはいません。深みはないですが、何も考えずに楽しむのにはうってつけでした。
…しかし、美人だけど強気で主人公には強く当たってばかりだけど実は主人公のことが――という幼なじみという設定は、太古の少女漫画から今日びのギャルゲーに至るまで、永遠なんですなあ。
「血染雪乱 暗夜鬼譚」(瀬川貴次 集英社スーパーファンタジー文庫) Amazon bk1
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