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2004.04.28

陰陽師 鬼一法眼(コミック)

 光文社で刊行されている藤木稟先生の「陰陽師 鬼一法眼」シリーズのコミカライズ。内容的には原作第1巻のエピソードの再構成ですが、原作よりも村上兵衛(狂言回し的役割の武士)と龍水(=鬼一法眼)の関係が密に描かれているような印象があります。

 原作については、文庫化された2巻目までしか読んでいないのですが、正直なところ、主人公側よりも鎌倉幕府の内幕、そして敵の妖霊側の描き方の方が魅力的という印象があり、失礼ながら主人公側の立ち位置が今ひとつ明確にならないせいかすっきりしない感じがあったのですが、その辺りがだいぶ整理されており、好感が持てました。
 絵柄的にも、虚無的な龍水にいかにも実直な兵衛、そして艶やかな白拍子たちのキャラクターがしっかりと伝わってくるものでしたし、妖物たちの描写も悪くなかったと思います。
 もちろん、何だか普通の陰陽師ものになっちゃったなあ、という感もあることはあるのですが、これはこれで大いにありだと思います。未回収の伏線もいくつかあるので、続編を見てみたいですね。


「陰陽師 鬼一法眼(コミック)」(渋谷千都世&藤木稟 あすかコミックスDX)


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2004.04.27

デビルスマイル信長

http://www.h4.dion.ne.jp/~tai-setu/sub5.html

 「新・科捜研の女」に出そびれた草加の中の人が、近藤勇に続いて今度は織田信長に。ウホッ、やな信長。

 ちなみに澤田の中の人は秀吉、海道の中の人は光秀ということで、完璧に狙ったキャスティング(というより番組で知り合った人つながりで集まったのかな)という印象。どちらかというと二人が逆の方が似合うような気もしますが、特に唐橋充さんは良い役者さんだと思うので、頑張って欲しいものです。

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三次

 三次で楽しい企画を立てている人がいるのを知って紹介しようと思ったら、タイミングよく三次出身の政治家がマヌケな発言してがっくり。
 真面目に新橋駅前で演説やってる右翼の人と山本五郎左衛門と富永一郎に謝れ。
 それはさておきこの企画、2004年なんだか2002年なんだか気になります。

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2004.04.26

京都魔性剣 姫巫女烏丸竜子

 京都を守護する烏丸神社の姫巫女であり、鞍馬流剣術の達人である竜子のもとに、岩倉具視からもたらされた依頼。それは、行方不明となった有栖川の姫君の捜索だった。叔父や新たに氏子になった沖田総司の手を借りつつ、幕末の京の動乱の中、探索を続ける竜子だが、事件は複雑怪奇な展開を見せ、竜子にも幾度となく危機が迫るのだった。

 かつて廣済堂文庫で展開されていた沖田総司シリーズのヒロイン、烏丸竜子を主役に据えた新シリーズ。といってもスピンオフではなく、ほとんど同じ世界(前シリーズとは相違点も少なくないので「ほとんど」)で起きた別の事件を、総司の側からでなく竜子の側から描くという印象でしょうか。
 もともと姫巫女というより女王巫女な竜子さんのキャラクターは以前から立ちまくっていたのですが、今作では言霊を剣技に利用した剣の達人という設定も加わって、いよいよますますパワーアップ(しかし総司が純情を寄せているにもかかわらず竜子さんの眼が向いているのは高杉晋作だった、というのはちとショック)。天誅組の蜂起、蛤御門の変、芹沢鴨の暗殺といった目まぐるしい歴史的事件の連続の中、強くしたたかに生きていく竜子さんはやはり魅力的で、ただでさえ珍しい時代ものの女主人公、それもかなり珍しい幕末ものの女主人公として、これからも頑張っていただきたいものです。
 総司のシリーズが、江戸の人間から見た京の混沌を描いたものとすれば、この作品は、京の人間から見た京の魔性を描いたものなのでしょう。


 …しかし、以前から加野厚志先生の作品の独特のノリを説明する言葉がないか探していたのですが、ようやく見つけました。一言で言えば「超展開」。

 先生の作品はミステリ仕立てのものが多いのですが、もう展開が大変に目まぐるしい。次から次へと容疑者が現れては嫌疑がかかったり解けたり、またかかったり。さらに、一つの事件の加害者が別の事件の被害者であったりその逆だったりと非常に忙しい上に、探偵役の主人公が(つまり読者もまた)ミスディレクションにことごとくひっかかるので、物語のドライブ感がより一層強く感じられるのですね。で、結末はかなり「えっ」という形で飛び出してくる。
 一歩間違えるとメタメタになりそうですが、これが逆に不思議な味、魅力となって、読んでいるとちょっと麻薬的な楽しさがあるこのノリを表現するのに、「超展開」という言葉はぴったりじゃないかなあ、と私は今作を読んでようやく気づいたところです。


「京都魔性剣 姫巫女烏丸竜子」(加野厚志 双葉文庫)


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2004.04.25

「受城異聞記」「けだもの」

 表題作の「受城異聞記」など全5篇を収録した短編集。どの作品も、普段歴史小説をあまり読まない私にとって、「なるほどこういう切り口があったか!」と感心することしきりでしたが、特に印象深かったのは巻頭の「受城異聞記」と巻末の「けだもの」。

 「受城異聞記」は、いわゆる郡上宝暦事件の結果、廃城となった飛騨高山城の受城を命じられた加賀大聖寺藩の苦闘記。加賀と飛騨は、直線距離としては近いですが、間に立ちはだかるのが白山、しかも指定された期間は冬の真っ只中。失敗すれば大聖寺藩も幕府から睨まれる…という危機的状況の中で、死地に赴く侍たちの生き様が描かれる作品です。その凄絶としか言いようのない決死の雪山行の緊迫感はもちろんのことですが、心に残ったのは、冒頭での主人公と家老の会話。
 主人公の生駒弥八郎は、若い時分に恋人を藩主に奪われ、藩主の元に切り込んで死のうと思ったこともある人間なのですが、その彼を諫めた家老の言葉が以下の通り。
「侍の本分は義であり、侍の生きようは志にある」
「義とは名詮自性、我を美しくと書く。士農工商、侍が四民の上に位するのは、利に溺れず、名誉にとらわれず、その生きよう死に様が美しくあれと心得るところにある」
「そちが世を拗ね、ひそかに復仇を念ずることが、世に美しと言えるか、美しき生きようと言えるか、美しく死ねるか」

 正直、私は武士道というものをどうも胡散臭ェと思っているひねくれ者ではありますが、一方で、人が人として正しく生きていくためには、自分の行動に対する美学が必要と思っている人間でもありますので、この言葉には素直にうなづくことができました。
 …が、が、この作品の結末は、そんな単純な私を打ちのめすような壮絶なもの。愕然としつつ、この世の中で己の信じた道を、己に恥じない生き方を貫くことの難しさを考えさせられた次第。


 そしてその衝撃を、娯楽時代劇的なフォーマットの中で突きつけてくれたのが、「けだもの」。主人公の三刀谷孝吉は、敏腕を謳われた北町の同心。それも単なる四角四面な法の番人ではなく、許せぬ悪には徹底的に厳しく、弱き立場の者には優しく融通を見せる男。絵に描いたような同心ものの主人公ですが、しかしその彼がその正義のために落ち込んだ地獄行を描いたのがこの作品。
 ある旗本宅での強殺事件の捜査に不審なものを感じた三刀谷は、独自に調査にあたり、その中で、自らの欲望と復讐のために無実の男を陥れた真犯人の存在を知るのですが、その前に立ち塞がるのは、封建社会の裏で起きた不祥事を、幕府の「法」の誤謬を隠すために口を拭い、無実の男を死に追いやる奉行所の、幕府のあり方。
 そして、あくまでも「法」の正義を信じようとする三刀谷に対し容赦なく浴びせられるのが、真犯人であり、流人の子というだけで悲惨な運命を背負わされた相川彦次郎の言葉。
「うぬは御法の罪のというが、侍と流人の身分の差が法で、それを越えようってのが罪か! はっきり言やあ法なんてものはな、侍が勝手に作り上げた、おのれに都合のいい取決めに過ぎねえんだ!」

 ここで普通の時代劇なら、「てめたっちゃ人間じゃねえ! 叩き斬ってやる!」とバッサリ彦次郎をブッた斬っておしまい、なのですが、己の信じる法の正義を貫くため、同心の職を捨ててまで三刀谷が取った手段は――内容は伏せますが、あまりにも過酷で、時として眼を背けたくなるようなもの。法を貫くために、ここまでしないといけないのか! と叫びたくなるほどの、爽快感のかけらもなしの幕切れにはただ呆然。侍の世の正義に逆らうために道を外れた相川彦次郎というけだものと、三刀谷がしたことは、侍の世の正義を貫くために道を外れた三刀谷孝吉というけだものの姿に、ただただ圧倒されました。

 この作品で描かれていたものもまた、「受城異聞記」と同様、この世の中で己の信じた生き方を貫いた男の姿と、その先に待つ重く苦い現実の姿。全く別々のベクトルの内容の作品でありながら、同じテーマを描いたとも言える二つの作品が、短編集の巻頭と巻末にあるのは、決して偶然ではないでしょう。
 どちらの作品も、決して明るくはない結末を迎えますが、それだからこそ、理想を抱き、貫くことの尊さ・重さが伝わってくるのではないかと思った次第。

 
「受城異聞記」(池宮彰一郎 文春文庫)

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2004.04.24

本物

 昨日はお招きにあずかりまして、えとう乱星先生のお宅にお邪魔してきました。朝松健先生ご夫妻などもご一緒だったのですが、私は一番乗り。
 えとう先生とは実際にお会いするのは初めてだったのですが、正直な話、全く初めて会った気がしないような印象――というより、非常に気さくに接して下さったおかげで全然こちらも緊張することなく(何せ、昔っからファンだった時代小説家の方でしたからなあ)、他の方のいらっしゃるまでの短い時間でしたが、楽しくお話させていただきました。
 えとう先生の印象を一言で言えば、大きい――それも圧迫感のある大きさではなく、包容力のある大きさを持った方で、かつ実に明るくおおらか。まさに絵に描いたような九州男児、いうなればリアル九州男児でありました。
 残念だったのは、シグマリオンIII話があまりできなかったことで、折角、うちのシグマリオンは広辞苑や人名辞典が入ってたり、PCとデータ共有できるアウトラインプロセッサやデータベースソフトが入ってて便利なんですよ~と自慢しようと思ったのにああ残念(うわっ、こっちはなんたる小人物)。

 その後、皆さんで色々お話ししつつ、馬刺と辛子レンコン、チャンポンをおいしくいただいてきました。私ゃ馬刺と辛子レンコンは実は初めて食べたんですが、ありゃおいしかった(肉を刺身で食べるのって最初驚きましたが、よく考えたら鯨も昔刺身で食べてましたな)。
 
 ちなみに、非常に生意気言うようですが、えとう先生ご夫妻は非常にお似合い、といいますか実に見ていて気持ちの暖かくなるようなお二人で、そしてもう一組、朝松先生ご夫妻も前から思っていたんですが名コンビ、という感じのお二人で、私ゃ基本的に結婚というのにあまり興味がない(つーか相手いないし)人間なのですが、ああ、夫婦っていいなあとつくづく思いました。
 求む、お嫁さん。と、楽しかった記憶を台無しにするような心の叫びを書いてこの項おわり。

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2004.04.21

鶏と卵、あと新刊

 どうにもここのところ体調が不良です。歯と喉が痛いのですが、どちらが鶏でどちらが卵やら、どっちが先に悪くなったのかよくわかりませんが、とりあえず喉の方を先に治そうと抗生物質を飲んでいるところ。…歯が先という気はヒシヒシとするのですが、歯医者って予約したり何だりで勤め人にはなかなか行きづらいですわ<人間、やらない理由は幾らでも考えられます

 さて、発売スケジュールに5月分の文庫・コミックと、4月分の新書・単行本を追加しましたが、どうにも5月は今のところ豊作とは言い難い状況…一番の注目は「鬼神新選 東京篇」でしょうか。新選組と言えば、「無頼」の復活も嬉しいところですが。

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2004.04.20

時代

 私はオタクサイトが天下国家を論じるの愚を嗤う人間であるので、自分のサイトでこういうことを書きたくはないのですが、「もの言はざるは腹ふくるる業なり」などという言葉もあるので少しだけ言えば、ずいぶんと気持ちの悪い世の中になってきたな、という印象があります。自分も絞首台への列に並んでいるのにも気づかず、自分の前で縊られている者を嗤ったり足を引っ張ったりしている人間がずいぶんと増えきたとでも言いましょうか。何も考えずに叩きやすい方を叩く人の悩みのなさと想像力のなさは、ある意味うらやましくもありますが。

 と、グタグタ言っても仕方ないのでここでうちのサイトらしいことを言い出せば、昭和初期にニヒリストキャラ――「赤穂浪士」の堀田隼人、「砂絵呪縛」の森尾重四郎、そして「新版大岡政談」の丹下左膳――が相次いで登場したというのも実感として納得できる気がします。そのニヒリストキャラたちが、元々は脇役として生み出されたものであっても、主役を食う人気を見せ、世の人に受け入れられたというのは、自分の行く手に黒雲が見えているのに、我が手に傘は無し、そして道を戻ることも逸れることもできない、そんな状況あってのことであり、そしてその時代の空気は――もちろん私は書物で知るだけですが――今のそれと、もしかすると似ていたのではないか、と思うのです。

 が、ここで一つの希望的とも言える事実があります。それは上記のニヒリストキャラの一人、丹下左膳の存在。「新版大岡政談」で主役を食う人気を得たことにより、「丹下左膳」としてピン立ちした左膳先生ですが、続編での姿は、ニヒリストの姿はどこへやら、の爽快・豪快・痛快なキャラクターとなっておりました(柴錬先生がエッセイの中で「バカ」と身も蓋もない表現をしたのは、こちらの左膳の方でしょう)。初登場から数年、より一層時代に近づいた中で、こうした丹下左膳のキャラの変質が見られたということは、もちろん一種の達観・憂き世離れということもあるでしょうが(あと、不忘先生が何も考えていなかった、という線も大いにあるかも)、私はむしろここに林不忘先生のエンターテイメント作家としての健全さと志を見たいと思います。
 暗い時代に対して斜に構えるか、そんな時代だからこそ豪快に笑い飛ばすか――もちろんそれぞれの立場はありましょうが、むしろ前者の立場になりがちな私にしてみれば、世のエンターテイメント作家の方々には、後者の立場で頑張っていただきたい、と切に願う次第です(まあ、目ェそらすって意味では同じなんだけどな)。

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2004.04.19

鉄人28号 第2話「28号対27号」

 東京を蹂躙しつつ行く鉄人の進路の先に敷島重工の工場があることを知った敷島博士は、鉄人の狙いが工場に保管された片腕であることを悟る。そして自分と同じ名を持つ鉄人の登場に驚く正太郎少年に対し、敷島博士は大戦中に金田博士を中心に行われていた「鉄人計画」の存在、さらに金田博士が死んだと思われた息子・正太郎の代わりとして、28号を開発したことを語る。そしてなおも荒れ狂う28号に対し、敷島博士は27号を起動させて立ち向かうが、28号の圧倒的なパワーは27号を粉砕。弟分を殺され怒りに燃える村雨健次も単身28号に立ち向かうが、彼の窮地に健次の兄・竜作が三輪トラックで特攻。その隙に正太郎が28号の掌中にあったリモコンを手にしたことにより、28号は動きを止めるのだった。

 悲しみから立ち直って書きます第2話の感想。
 さすがに初回に比べれば作画的なものは幾分落ちていましたが、充分水準点。むしろ夜の街を往く28号の巨大さ・恐ろしさ、そして27号との激突シーンの迫力等、描くべき点はきちんと(さほど多くないと思われる動画枚数)で描かれていました。特に暴走する28号の姿は、原作が当初フランケンシュタインテーマで描かれていたことをスタッフがきちんと継承していることを示すものではないでしょうか。また、何かの拍子に無表情なはずの28号の顔に表情が感じられる演出も、さすがと思います(今川監督というと、どうも派手な演出の方ばかり取り上げられ、それだけの人と思われがちですが、こうした小芝居でも冴えを見せるということは忘れて欲しくないところです)。
 ストーリー的には過去話を詰め込みすぎという声もありますが、それでひっぱるべき作品とも思えないのでこれで正解でしょう(何故28号が封印されなくてはならなかったか、という謎はきちんと残っていますし)。
 そしてキャラクター。大塚署長はまだ本領発揮していない感がありますが、今回の白眉は、自分が作った27号を蹂躙する28号の姿にむしろ悦びを覚えているかのような敷島博士のある種のマッドっぷりと、ほぼ原作通りの特攻を見せた村雨兄の描写でしょうか。特に後者は、特攻くずれのキャラが特攻して死ぬ(しかも末期の言葉は「今日がが俺の終戦記念日だ」)というのはベタな展開ですが、時代の空気というものが感じられる作風と、名優若本規夫の感情たっぷりの演技(本当にこの方は、やさぐれた、それでいて男の格好良さを持つキャラを演じさせると非常に良い仕事をします)で、素直に胸に迫るシーンとなっていたと思います。

 さて、意外とあっさりと28号は正太郎少年の下に収まり、これからが物語本編となるということでしょうか。ここで気になるのは、やはり村雨健次の動向。正太郎が「戦争から立ち上がり未来へ向かっていく日本」の象徴とすれば、村雨は「戦争という重い過去を背負った日本」の象徴とでもいうべきキャラクター。ある意味もう一人の主人公とも言える村雨に注目します。

 …あ~長い、長い感想だな、これは。

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2004.04.16

弔辞

 昨晩から頭の中で流れているのは、「ジャイアントロボ THE ANIMATION」でのシズマ博士の葬儀のシーンのBGM。
と、ネット上でこんな書き込みを見つけたのでコピペ。

>私もまた、ここにおいでの方たちと同じ、横山先生を良く知るものの一人です。
>また、あなたと出会ったことの無い者もあなたが作り上げた作品とともに
>生きて暮らすことでよりあなたを身近なものに感じてきました。
>あなたは夢でありまた、希望でもありました。
>そしてあるときは力となり、またあるときは光となって
>さまざまな作品によって我々を勇気づけ、幸せへと導いていきました。
>おかげで我々は再び空を飛ぶことも出来ました。
>多くの翼とともに。
>ですが、
>今は大地に還るべきときなのかもしれません
>海に還るべきときなのかもしれません
>あなたはそこで安らぎを得ることができるでしょう。

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ご冥福をお祈りします

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040415-00000415-yom-soci

 …小学生の時に横山先生の「時の行者」に出会わなければ、歴史の面白さに目覚めることはなかったと思います。
 いまはただ、ご冥福をお祈りいたします。

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2004.04.15

横山先生重体

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040415-00000503-yom-soci

 よ、横山先生が…
 私にとっては漫画の神様以上に神様な存在なので、どうか、どうか回復されますように!

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2004.04.13

今日の小ネタ

 最近、会社で「残業代を払えないので残業するな」とうるさいので、有り難く早々と帰らせていただいてるのですが、今日は帰りに東京駅の大丸の三省堂の喫茶店に寄りました。
 この喫茶店、三省堂の本を買わなくても自由に持ち込み可能という太っ腹さに加え、コーヒーもなかなかおいしいので、一人で過ごすにはうってつけののスポットなのです。白状すれば、下に書いた「異形コレクション 黒い遊園地」もここで読みました。
 しかしこの喫茶店、以前は砂糖やクリームの種類が5,6種類選べたりして妙にうれしかったんですが、どうやらそのサービスは廃止されてしまった模様。世知辛いねえ…


 会社と言えば会社の上司に、私が時代小説ファン(本当はむしろ時代小説キ○ガイなんですがそこは伏せるとして)であるのがバレて(?)、同じく時代小説ファンのその人と本の貸し借りをすることに。
 先方からは池宮彰一郎先生の「受城異聞記」を借り、私は散々迷った挙げ句、先日読んで非常に面白かった「太閤暗殺」を持っていきました。親子ほども年の離れた方ですが、私の趣味が通じればいいんですが。
 オニャノコとのコミニュケーションにはほとんど全く役に立たないが、ご年配の方とのそれには役に立つ時代小説。うわ、めっちゃリーマンくさ!


 そして今日の日記を書きながら気付いた事実。今日の「修羅の刻」、ビデオに撮り損ねた…放映は水曜日だと思ってたよ_| ̄|○
 全話レビューしようと思ってたのに、いきなり挫折。しかしおかげで明日の「鉄人28号」(これも木曜日だと思ってた)はちゃんと録画できるでしょう。ありがとう、「修羅の刻」!

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東山殿御庭

 将軍足利義政の命により建築中の東山殿に夜な夜な起こる怪異。管領畠山政長は怪異の解決のため老境の一休を招く。一休と侍女・森は、東山殿の絵図面に謎の言葉が残されているのを発見するが。

 恒例、朝松健の異形コレクションでの室町ホラーですが、「やられました」の一言。

 室町時代を舞台にして如何に遊園地テーマのホラーを描くか、という難題を軽々とクリアしつつ、ある歴史的事実の背後に潜む「真実」をさらりと伝奇的に解き明かせてみせる業の冴えも見事なのですが、何よりも見事なのは、その怪異の正体というか由来であるアレ(こればっかりはネタバレできないので)の活かし方。
 なるほど、アレならば確かにこのようにも見えるわい、と感心しつつも、それ以上に、アレが作中のある人物の心と記憶に落とした陰の深さと、その陰を知って初めてわかる「怪異」の切なすぎる真の意味(そしてそれが上記の「真実」につながっていく!)には唸らされました。そして何よりも、アレを怪異としか受け取れぬ「時代」の在り方に、より一層の切なさを感じました。
 その時代でなければ描けない怪異を描きつつも、その中に潜むモノは現代に暮らす我々の心にも強く響く。時代ホラーとはかくあるべしと常々私は思っていますが、この作品はその好例と言えるでしょう。

 ちなみに、この作品の結末は、ある意味非常に反則的なのですが、一休シリーズファンとしては――「夏のグランドホテル」同様――一休は永遠のヒーローなのだな、と感じさせられたことです。


「東山殿御庭」(朝松健 光文社文庫「異形コレクション 黒い遊園地」所収)


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2004.04.12

そしてもう一つのしびと

 菊地先生でもう一つ思い出しました。現在発売中の「メフィスト」誌で、ついについに「幕末屍軍団」が復活。短編版の続編かと思いましたが、リライトの様子。短編版では江戸が舞台でしたが、こちらでは京の物語も同時進行で、新選組も登場。いい感じです。
 こちらを見た限りでは、「魔剣士」にもつながるのか? という印象もあり、大いに楽しみです。当然、クライマックスは竹製パワードスーツ希望。


 ちなみに同誌の編集者コーナーか何かで、ヤングアダルト文庫のことが取り上げられていたのですが、「電撃文庫などを読むと、うちのノベルスに近いものがあって驚いた」とか何とかいう発言があって(うる覚え)こっちが驚きました。
 真面目に言っているのなら、今頃気付くか? と言いたい。

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しびとと五右衛門と

 今日は菊地先生の「しびとの剣 竜虎幻暈編」と朝松先生の「五右衛門妖戦記」が発売されていたので即購入。

 「しびとの剣」は、ノベルス3冊目。漫画の方で言えば無印の6巻あたりから、新の2巻の途中まで。漫画の方は漫画家さんが変わって劇的に印象が変わりましたが、原作の方は、中断地点を挟んでも印象は変わらず(当たり前っちゃあ当たり前)。漫画の方と読み比べると、あのシーンで原作者が何を意図していたのか、このシーンで漫画家が原作をどう解釈したのか、というのがよくわかって面白いのですが、やはり小説と漫画の原作は別物、という印象は強くあります(これはノベルス1冊目から感じていることではありますが)。
 漫画を読んでいる時は、信長登場の辺りから物語の雰囲気に変化が感じられて、それまで歴史ファンタジーとでも言うべき世界だったのが、伝奇時代劇に近づいてきたな、という印象があったのですが、それはてっきり信長という歴史上の人物が登場したために自分で勝手にそう感じたのかと思っていましたが、どうも菊地先生の方でも信長のキャラクターに影響されて作品の流れを変えてきた様子でした。

 「五右衛門妖戦記」の方は、懐かしい「妖術 太閤殺し」の改題。まだ本文は読んでいないのですが、加筆修正はされているのかな? 
 もともと伝奇要素の強い歌舞伎の「楼門五三桐」を伝奇小説化したこの作品ですが、歌舞伎の伝奇時代小説化というのは、ありそうで意外と少ない、大いなるコロンブスの卵とも言うべき試み。残念ながら現在のところこの作品と、「伽羅先代萩」の同じく伝奇小説化である「妖術先代萩」しか書かれていませんが、今後も書き継いで、伝奇時代小説十八番を完成させていただきたいものです。
 ちなみに解説はえとう乱星先生。えとう先生と朝松先生の名前が並んでいるのを見ると、個人的にちょっと誇らしい気分になります。まったく個人的にですけどね。

 あ、そうだ、解説を読んで一言。先生、才蔵君はちゃんと登場していますよ!


「しびとの剣 竜虎幻暈編」(菊地秀行 ノン・ノベル) Amazon bk1


「五右衛門妖戦記」(朝松健 光文社文庫) Amazon bk1

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2004.04.10

幻想の平安年表

 ついにうちの本サイトの妖異大年表に平安時代分のデータを追加。
 まだまだ抜けも山とありますが、まずは立ち上がりました。作っててやたらとデータ数多いな、と思っていたら、よく考えてみれば約400年分あったんですね。

 何の歌だったか、「嵐のような時代も 端から見ればただのクロニクル」という歌詞がありましたが、この年表を作っていた時、このフレーズが何度も浮かびました。


 ちなみに今まで作った部分は年表部分をテーブルタグで作っていましたが、今回は試しにスタイルシートを使って作ってみました。少しは軽くなったかな…
 そして今回大活躍したのが、こちらHTML Project2というタグ挿入型エディタ。今までタグ挿入型は面倒くさそうで敬遠していたのですが(Win98時代からずっと同じFront Page使ってます)、このHTML Project2はマクロ機能が充実していて、今回のように同じ(ちょっと変わった)タグを延々と打ち続けるのに大いに助かりました。何と言ってもフリーウェアですし(笑)。
 まだ全面的とはいきませんが、徐々にこちらを使うように移行していこうとかと思います。

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2004.04.09

御宿かわせみ(テレビ)

 長澤奈央目当てで「御宿かわせみ」を見ました。「かわせみ」は私がまだちいちゃい頃にやっていた方の印象が強くて、今の橋之助&高島コンビはどうにも…なのですが、まあ長澤奈央が出るから。
 今回のお話はこちらを見てもらうとして(手抜き)、結論としては、長澤さん頑張ってて安心しました。源三郎を誘うシーンの台詞回しがヘボかったのはご愛敬。というか、その辺りのシーンは、「肩まで、肩まで!」(落ち着けやおっさん)という状態だったので、気にしちゃいられねえ。私だったら喜んで喉元カッ切られてます。

 しかしあそこまでされてなびかなかった宍戸か…いや源三郎は私の脳内ではホモ認定。相手はもちろん東吾で。ちゃんと東吾も「男は男同士」って言ってたし!

 …でもやっぱり主役二人はイメージとちょっとちゃうなあ。あと宍戸開さんが加速度的に父親似になってきた気が。

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「バジリスク~甲賀忍法帖~」第4巻ほか

 今日は「バジリスク」単行本第4巻と、完全解読BOOKの発売日。当然両方とも購入。
 単行本の方は、番外編から、原作ファンをパニックに陥らせた薬師寺天膳大復活まで。主人公は兄さま(断言)。裏主役は、大半をなまっちろい裸体を晒した天膳様(また断言)。内容については、もうただ「素晴らしい!」としか言いようがないので困ってしまうのですが、やはり凄いのは番外編。
 原作に全く依っていない完全オリジナルの、いわばファンサービス的なエピソードではありますが、そうした機能をきちんと果たしつつも本編に対して違和感のない、「語られざるエピソード」としてきちんと成立しているのは、見事と言うべきでしょう。特に弦之介と朧の「視線」が(偶然)ぶつかるシーンは出色の一言。
 あのキャラであれば、確かにこう行動するだろうな、と読者に納得させることができるのは、当たり前のようでいてなかなかに難しいことではないでしょうか。


 さて問題は完全解読BOOK。私の感想を一言で表せば

 高ェよ。

 この程度の内容で1,200円はいかにも高い。これがせめて600円であれば、「…まあ、ファンブックの類だしネ」とため息一つついて、自分のマニアとしてのサガへの戒めにでもするんですが、この値段はちょっと。
 いくらファンでも、少なくとも新刊で買う必要はないでしょうなあ。ブクオフ落ちでも待ちましょう。これに1,200円払うのであれば、布教用に「バジリスク」の単行本をあと2冊買うとか、未収録短編一つを目当てにちくま書房の忍法帖短編全集を買うとかした方が良いと思います。

 …と、普段あまり書かないような類の暴言を書いておしまい。


「バジリスク~甲賀忍法帖~」第4巻(せがわまさき&山田風太郎 アッパーズKC)


この記事に関連した本など

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2004.04.08

帰ってくる「無頼」

 岩崎陽子先生の新撰組コミック「無頼が秋田書店刊の「プリンセスGOLD」にて復活とのこと(form最後通牒・半分版)。角川から秋田への移籍とのこと。
 意地悪なことを言えば流行モノ…ということになるかもしれませんが、実は私が岩崎先生の作品を初めて読んだのがこれなので、また読むことができるのは素直に嬉しいです(もっとも、現在連載中の作品が別にあるので、すぐに復活! というわけではないようですが…)。

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「鉄人28号」 第1話「蘇る正太郎」

 戦争から十年を経て復興を遂げた東京。その東京で活躍する少年探偵・金田正太郎は、村雨一家の強盗現場を偶然目撃、彼らを追跡する。一方、それとほぼ時を同じくして、南方の島から東京に向けて発射された謎の巨大な砲弾があった。建設中の東京タワー工事現場で村雨一家を捕らえる正太郎だが、まさにその場に砲弾は落下。偶然その中に潜り込んでしまった村雨一家の一人が内部のレバーを操作した時、砲弾の中で巨大な物体が蠢き始めた。正太郎、そして現場に駆けつけた敷島博士、大塚署長の目の前で砲弾から現れた、全身を包帯に包まれた巨大ロボット――敷島博士はそれを「もう一人の正太郎」と呼ぶのだった。

 いよいよ始まった新たなアニメ版「鉄人28号」、監督がアニメ版「ジャイアントロボ」で横山ファンを(色んな意味で)悶えさせた今川泰宏監督ということで猛烈に期待していたのですが、見た感想を一言で言えば、

「最終回までこのテンションで続いたら、(興奮しすぎて)死ぬ」

 今川ファン(サイン入り「通の道一本勝負」は私の宝物)、鉄人ファン、横山光輝ファンとして語り出すと止まらなくなるので今は控えますが、知らない人が夜中にTV付けて見たらタイムスリップしたんじゃないかと思いそうなレトロな空気横溢の絵柄ですが、展開されるのは可愛らしい絵柄とは裏腹のドシリアスなストーリー。
 冒頭の鉄人と正太郎少年の活躍や、意味ありげな言葉を残して扉の向こうに消える金田博士など、おいおいどっかで見たようなシーンだね、と突っ込み入れたくなるような部分もありましたが、「秘密を胸に姿を消す科学者」「その遺産を背負って戦う主人公」というお馴染み今川節に加えて、原作でも鉄人のバックボーンとして描かれるに留まっていた「戦争の爪痕」というものを入れ込んだ世界は、原作に忠実とはとても言えないものの、原作を尊重しつつ独自の世界を展開していて今後にも期待が持てます。
 キャスティング的にも、若ぇ声優ファンなんぞには完全に背を向けた、渋い実力派揃いの今川布陣で、好きな人にはたまらない世界。村雨兄が若本規夫、村雨弟が幹本雄之なんて鼻血出るかと思いましたよ?


しかし2chでの↓この書き込み

246 名前:風の谷の名無しさん[sage] 投稿日:04/04/08 02:22 ID:Kw6ifCK5
今後注意すべきポイント

・3話ぐらいで監督が下ろされる
・音楽で予算使い切って紙芝居に
・大塚署長が口から光を吐きながら大阪城と一体化してしまう
・父親がちゃんと遺言状を書かないのが悪いという情けねぇオチの話に

…こうなったら別の意味で死ぬ。


「鉄人28号」

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2004.04.07

「修羅の刻」 第1話「雲の如き男」

 とある山道で若者を追う3人の浪人を、瞬く間に切り伏せた兵法者――宮本武蔵。若者、実は某藩の若君・吉祥丸は、用心棒として武蔵を雇おうとするが、彼は剣戟の最中、傍らの茶店で無心に飯を食っていた青年・陸奥八雲を推挙して去る。呑気な八雲の姿に不信と苛立ちを隠せない吉祥丸だが、彼の元に十名もの刺客が現れた時、八雲は一瞬にして無手で刺客たちを打ちのめす。八雲の技――それこそは伝説の武術、陸奥圓明流なのであった。

 昨日から始まったアニメ版「修羅の刻」、ビデオに撮っておいたのを今日見ました。
 宮本武蔵編、寛永御前試合編、幕末編をアニメ化ということで、OPはその3つに登場するキャラクターたちが目まぐるしく登場、よく見ると、冒頭のシルエットの格闘シーンで、今回のアニメに登場しない陸奥たちのアクションが描かれてるのが好印象。
 そして肝心の本編。…まあ、こんなもんでしょうなあ。あ、いきなり感想が終わってしまった。

 もう少し細かく言えば、ストーリー的には原作に忠実なので特に言うことはなし。一番「TV時代劇」している話ではあるので、今の目で見るとちと気恥ずかしさがないでもないですが、これは原作の頃からの味。第1話が(原作から見れば)えらい中途半端なところで終わってるのは、さて次回はアクションで時間を取るということでしょうか。
 絵的には、特に違和感なし。元々が緻密、というタイプの絵柄ではないので、もともとアニメには向いているのかもしれません。アクションシーンは、原作で省略されていた部分の動きを描きこんであって、これは好印象。しかし、原作最大の特徴である、独特の「白さ」を、単なるバックを白にするだけで見せようとするのはいかがなものか。
 声の方は…まあ、こんなもんでしょうなあ(あ、また言っちゃった)。

 結論としては、そんなに悪くない出来ではないでしょうか。良い出来とも正直言えませんが、難しいことを考えずに見る分には良いのではないかと。

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東京魔人學園符咒封録

 魔人・柳生宗崇の凶刃に倒れた緋勇龍麻の魂は、不思議な鈴の音に導かれて、異界の東京に誘われる。そこで強大な邪気と戦う二人の高校生・矢村俊と水兼伊涼と出逢った龍麻は、彼らの氏神として、邪気…悪口・綺語・貪欲・瞋恚・妄語・偸盗・好色・殺生・両舌・邪見の十の大罪と戦うこととなる。次々と東京を蝕む大罪を封じていく三人だが、やがて彼らの前に現れたのは、数千年にも及ぶ因縁の連鎖だった。

 2000年にワンダースワン用ソフトとして発売されて以来、ほとんど幻の作品と化していたカードゲームソフトがGBAで復活。カードもカラーになった上に大幅に追加されて、かなりのパワーアップされ、より手に入りやすい形で復活したのは喜ばしいことです(ファンにはお馴染みの「トーキョーマジンガクエンフジュホーロク!」のボイスも少しクリアになりつつも相変わらずで懐かしい)。ゲームのルール的には少々手が加わっていますが、基本的なプレイ感覚は変わらず、まずは良いパワーアップ移植と言えましょう。

 しかし伝奇ファン的に注目したいのはそのストーリー。前半は、人の心の負の部分が生み出した陰惨ドロドロの猟奇事件に、高校生たちが悩み傷つきつつも立ち向かっていくという、「魔人」シリーズの定番展開ですが、後半になって十の大罪の正体、そして主人公たちと「敵」との因縁が明かされていく辺りの展開はまさに圧巻で、スケールだけで言ってもシリーズ一。
 ネタ的には、比較的伝奇ものでネタにされてこなかった(?)鈴鹿御前が登場したかと思えば、さらに因縁は天孫降臨・国譲りの際のあるエピソードにまで独自の視点で切り込んでおり、伝奇ものとしてもなかなかのレベル。特に、ラスボスが×××というのは普通出てこない発想で、しかも×××がラスボスとなった理由、そしてラストに明かされる、×××が十の大罪を背負う真の意味に至っては、ただただため息。
 「魔人」シリーズは、個人的には、空振りも多いけれども当たるとホームラン的な印象があるのですが、今作は大ホームランでした。

 「魔人」シリーズを全く知らない方に奨められるか、というと微妙ですが、少しでもシリーズに触れたことのある人なら、GBA本体を買ってでもプレイして損はないですよ、と言わせていただきます。


 …まあ個人的には、ちゃんと予告された発売日通りに発売されたことにまず驚かされたんですが。

「東京魔人學園符咒封録」(マーベラスインタラクティブ ゲームボーイアドバンス用ソフト)

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しゃばけ

薬種問屋の一人息子・一太郎は、病弱だが妖怪が見え、意志を通じることが出来る不思議な力を持っていた。その一太郎が人目を盗んで出かけた晩に人殺しを目撃。その時はからくも難を逃れるも、その後も奇怪な殺人事件が続発。ついには一太郎の間近にまで魔の手が迫ってきた。一太郎は忠実な手代(実は妖怪)の仁吉と佐助と共に事件を探り始めるが、そこには意外な真相が隠されていた。

 本日読了。捕物帖+妖怪ものと言うべきか、一風変わった小説。何人も人死にが出るにもかかわらず、どこかユーモラスな雰囲気なのは、主人公のキャラクターでしょうか。その主人公・一太郎と妖怪の楽しくも頭の痛くなりそうな日常描写を読んでいるだけでも楽しいのですが(妖怪を全くの異物として描かず、日常からちょっとだけずれた所に普通に居る連中として描いている所に好感が持てます)、物語のメインである、一太郎たちが直面する怪事件の方は一ひねりも二ひねりもある代物で、こちらもgood。普段妖怪変化が出てくるような本ばかり読んでいる身には、犯人像はさほど意外でもないですが、その「犯行動機」が実は…というのはさすがに読めず、そしてその動機が主人公の生き様、考え方に密接に関わってくる点はなかなかに見事と感じました。続編も読まなければ。

 ちなみに冒頭数行を読んで、何だか文体にすごいデジャヴを感じたのですが、作者の方の経歴を見て納得。

 …ところで設定を見ていて当然のように下克上カプという語が浮かんできた私は汚れているのでしょうか。


「しゃばけ」(畠中恵 新潮文庫)

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2004.04.06

夜桜能

 今日は会社を早退して、靖国神社の夜桜能へ(シフト勤務なので、定時だと間に合わないのですよ)。狙いすましたような寒さに震えつつも、ぬかりなく鞄に忍ばせた膝掛けに相方と二人くるまって見ました。
 今日の演目は「桜川」。人買いに買われた我が子を探す母親が、常陸の桜川のほとり、満開の桜の下で子供と再会するという内容は、まさに今日の桜の下で見るにはうってつけの内容。途中、母親が桜の下で舞いながら口ずさむ内容には、古今の桜にまつわる歌が多く盛り込まれていて、もう少しその辺りの知識があればもっと楽しめたのに、というのが残念。
 最初、「川」「人買い」「母親」というキーワードだけ見て、「隅田川」を連想しましたが(何年か前に同じこの場で「隅田川」を見たこともあり)、母子の情よりもむしろ母親の舞いがこの演目の主題に感じられ、似たような設定でもだいぶ印象は違いました(結末が正反対というのもありますが)。

 それにしても能を見るといつも、舞台と物理的なそれ以上の距離感――それも決して不愉快でも疎外感を感じさせるものでもなく――を感じます。何というか、伝奇オタらしく言えば、そこだけぽっかりと切り取られたように現世と隔絶しているかのような。他の古典芸能と違い、能の魅力というものを言葉で言い表すのは、私にはまだ難しいのですが、この奇妙な感覚は他の芸術芸能では味わえないもののように感じられ、その辺りに自分は魅力を感じているようにも思えます。


 それはさておき、人買いに買われた子供が坊さんに連れられている、という設定を見て、「…そういうことか」とヤな納得をしてしまうのはいかがなものか。…連れも全く同じことを思っていたそうで安心しましたが<するな

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2004.04.03

狐火恋慕 暗夜鬼譚

 縁結びに絶大な力を持つという祈祷師・白王尼の存在を知った承香殿の女御は、ライバルに打ち勝とうと、彼女を後宮に招き入れる。一方、久継への自責の念に苦しむ夏樹は、先輩たちに気分転換の狩りに誘われ出かけるが、その狩りの参加者が次々と惨殺されていく事件が発生。夏樹と一条は事件を追うが、その途中に出逢った白王尼は、一条を「吾子」と呼ぶのだった。それ以来、一条の身に異様な変化が…

 シリーズ第8弾。前作の「空蝉挽歌」のエピローグ的作品ということで、そのやり方はやはりちょっとずるいよね、と思いつつも、内容的にはかなり楽しめました。ストーリーは、あの陰陽師と狐ということで、ある意味定番の展開ではあるのですが、人と人ならぬものの間で揺れ動く一条と、それを必死に引き留めようとする夏樹の友情の姿がきちんと描かれていたので満足。これが見たかったんだよ、という印象です。


「狐火恋慕 暗夜鬼譚」(瀬川貴次 集英社スーパーファンタジー文庫)


この記事に関連した本など

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