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2004.05.27

「雨柳堂夢咄」第10巻

 柳が目印の骨董屋「雨柳堂」を舞台に、この世ならぬものを見る力を持つ店主の孫・蓮を狂言回しに様々な骨董品と店の客との触れ合いを描いた連作短編もこれで単行本10冊目。時間が止まってしまったかのように静かで優しい雨柳堂の空気と、妙に老成しているようでいてやっぱり人間くさい蓮君のキャラクターは相変わらずで、安心して読むことができます。

 物語の舞台はおそらく大正から昭和初期、つまり既に過ぎ去ってしまった過去なのですが、しかし雨柳堂(とそれを取り巻く人々)が時間の流れから超然として存在しているように感じられるのは、骨董品という、より古い時代の時間の流れを背負ったものを扱っているからなのかもしれません。

 ちなみにこの巻では、ここしばらく続いていたサイドストーリーである、贋作師の篁さんとつくろい師の釉月さんの因縁話が一応の落着。個人的にはこの一連のエピソードが、嫌いではもちろんないにせよ違和感を感じていたのですが、今この文章を書いていて、その違和感の正体が、時間の止まったような世界の中で、ただこのエピソードのみが現在進行形の物語であったためであったか、とようやく気づきました。

 何はともあれ、この心地よい世界がこれから先もずっと存在し続けることを願って止みません。

「雨柳堂夢咄」第10巻(波津彬子 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス


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