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2004.05.05

幽王伝

 剣の道を極めんと旅する兵法者・仏陀蒼介は、東北は東雲藩で、怪剣・冥府流を操る室戸天膳の存在を知り、闘志を燃やす。その蒼介の前に現れるのは、もう一人の冥府流剣士夕岐半四郎、美麗の妖剣士柳生刑部、奇怪な薬屋諸里舎の陣吾、冥府流を狙う妖女おえんなど、いずれも奇怪な面々。生者の操れぬしびとの剣・冥府流を巡り、怪人・妖人たちの思惑は複雑に絡み合うのだった。

 角川春樹事務所HPで連載されていた菊地先生の作品が、待ちに待っていた単行本化。菊地先生お得意の「死人」の技を巡り繰り広げられる三つ巴、卍巴の死闘は(良い意味で)全く先が見えない混沌とした展開ですが、その中で一人胸を張って己の道を往く好漢・仏陀蒼介のキャラクターが非常に気持ちよく感じられます。
 脇役の方も、お久しぶりの柳生刑部に、菊地ファンなら「キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!」と叫んでしまいそうな諸里の人間の登場など、相変わらずの多士済々と言えるでしょう(もっとも、冥府流側のキャラクターが、今ひとつに感じられるのですが、これは流派の秘密がまだほとんど明かされていないので今後に期待)。
 死人の技を破るには、自分も死人の技を、人外の存在に、というのが菊地作品に多いパターンですが、今作で蒼介が掴みかけた境地は、それとはどうやら全く別の方向にあるものの様子。死者の剣を打ち破る生ある者の剣の冴えを、次巻に期待します(巻数はついてないものの、本作は第1巻。つまり次巻に「つづく」なのですが、これはこれでもちろんオッヶ)

「幽王伝」(菊地秀行 ハルキノベルス)


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