髑髏城の七人(小説版)
舞台を観てから読もうと心に決めていた小説版「髑髏城の七人」を読了。舞台では作中のいたるところにちりばめられていたギャグをほとんど一切オミットし、ドシリアスな作品となっているこの小説版、さすがに小説だけあって、舞台では描きにくいキャラクターの心理描写や過去の出来事まで細かく書き込んであるところが大きな魅力でした。正直なところ、舞台では蘭兵衛の描き方に食い足りない部分があったのですが、こちらの描き方であればかなり納得、でしょうか。それ以外にも、史実との整合性取りなどにも気が配られていて、きちんと一個の伝奇時代小説として成り立っていたと思います。
もちろん、舞台を観た後では、例えば兵庫と極楽の関係の描き方やラストなど「ああ、ここは舞台の方が良かったなあ」という箇所も随所にあり、小説にする際にちとお行儀良くなりすぎてしまったかな、と感じないでもありません。特に終盤の髑髏城内での決戦シーンでは、ちょっとはしょりすぎたような印象もあり、おかげで舞台より活躍シーンが減ってしまったキャラなどもいて、残念ではありました。あるいは、舞台と相補する関係にあるのかもしれませんが…
などと不満点もないわけではないですが、とりあえず文章で書いてみました、という内容のノベライズが多い中、上記の通りきっちりと小説として成立していることは大いに評価できます。何よりも、全体的なノリは大きく異なるにもかかわらず、読んでいて全く違和感を感じない――同じ話を同じ人がなんだから当たり前、と言われればそれまでですが――というのは、素晴らしいことだと思います。
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