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2004.07.05

嶽神忍風3 湖底の黄金

 伊賀四天王を倒され、自らも片腕を失い復讐に燃える服部半蔵保長は、ついに禁忌の一族・朽木衆を送り込む。逃避行を続ける多十一行は、自分たちを上回る能力を持つ朽木衆に次第に追いつめられていく。一方、武田家遺金の在処を追う大蔵十兵衛は、ついに守刀に秘められた秘密を解き、遺金に迫ろうとしていたのだった。

 戦国末期を舞台にした忍術アクション(ただし主人公は忍者にあらず)「嶽神忍風」も第3巻で大団円。物語の締めくくりにふさわしく、この作品のウリであり魅力である集団vs集団の泥臭いガチバトルもてんこ盛り、最後の最後まで気の抜けない展開でした。
 冒頭から提示されてきた武田家遺金の謎も解かれ、登場人物たちも皆収まるべきところに収まり、物語の締めくくりとして満足。殊に、一族を殺されたムカデ一族の少女・蓮の大蔵十兵衛(後の大久保長安)への復讐の行方は、歴史上の人物を相手に果たして…と思いきや、その辺りもうまく扱われていて納得でした。

 完結して振り返ってみれば、百点満点…とは言い切れず、ちょっと惜しいなという点もままあったのですが(3巻とも展開が似通っていたり、2巻で主人公が陥った窮地の一つが、3巻であっさりと、主人公の知らぬ間に解決していたり)、しかし時代伝奇エンターテイメントとしてみれば充分以上に合格点であり、退屈せずに読み通すことができました。

 これは以前も書きましたが、権力により己の命以外の全てを奪われたアウトローたちが、その最後に残ったものすら奪い去ろうという権力の理不尽に反撃の牙を剥くというのが、やはり何よりも気持ちよく、一歩間違えれば非常に重苦しくなりかねない物語を痛快なものとしていたと言えますし、私は主人公の多十一行と、彼らが活躍するこの物語が非常に好きでした。
 続編を強く希望する次第。


「嶽神忍風3 湖底の黄金」(長谷川卓 中央公論新社 C・NOVELS)


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