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2004.10.22

怪奇・怪談時代小説傑作選

 その名の通り、ホラー・怪談色の強い時代小説を集めたアンソロジー。収録作は以下の通り。

利根の渡(岡本綺堂)
魔の笛(野村胡堂)
首つり御門(都筑道夫)
刀の中の顔(宇野信夫)
鳴るが辻の怪(杉本苑子)
遺書欲しや(笹沢左保)
怪(綱淵謙錠)
掌のなかの顔(神坂次郎)
だるま猫(宮部みゆき)
影を売った武士(戸川幸夫)
日本三大怪談集(田中貢太郎)


 ご覧の通り、かなりメジャーどころも多く、読んだ作品も何作かありましたが、バラエティに富んでいてなかなか楽しめました。

 個人的にベストだったのは「魔の笛」と「だるま猫」。
 「魔の笛」は、陰惨な因縁を持つ妖笛にまつわる妖異譚ですが、終盤でこの笛の妖力に対抗するために主人公がとる行動というのが実にコロンブスの卵的かつ説得力があるもので、優れた音楽怪談であると同時に、手に汗握るモンスターホラー的側面もあって非常に楽しめました。
 「だるま猫」は、作者お得意の人情話的に淡々と物語を進めておいて、ラストでガッと一撃を喰らわせる佳品。「猿の手」的願い事の代償ネタですが、これは静かに積み重ねてきたものが一気にきて、ビジュアル的に想像ができるのがまた怖い。

 というわけで、既読の作品が多ければ格別、そうでなければ一読しても損はないスタンダードなアンソロジーだと思います。
 (しかし、怪談ファン、伝奇・怪奇時代小説キチガイを自認しておいて、上に挙げた二作品が未読だった自分てどうよと思った)

「怪奇・怪談時代小説傑作選」(縄田一男編 徳間文庫) Amazon bk1


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