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2004.11.22

講談名作文庫 真田幸村

 やっぱり講談、特に立川文庫は時代小説の源流の一つ、ということで、少しずつ勉強しています。今は、昔々講談社から出ていた講談名作文庫を集めているところですが、今日読んだ「真田幸村」もその一つ。

 内容としては、8割方が大坂の陣での攻防戦。豪傑というより知謀の人のイメージが強い幸村、きっとタイトルは幸村でも十勇士がメインに動くんだろうな…と思っていたら、どうしてどうして、幸村はほとんど単独で大活躍。さすがに「戦国無双」のように一人敵の群れに真っ正面から…というわけではありませんが、一人敵陣深く忍び込み、家康の首を狙うことは二度三度ではきかず。まったく大したSAMURAIっぷりです。
 まあ、それで家康が討ち取られてしまえば歴史が変わってしまいますので、暗殺計画は失敗するのですが、もちろん主人公の策に遺漏があるとするわけにもいかないので、家康の強運・悪運で助かるということになるのですが――物語中で五、六回は運に助けられて命拾いするというのは、ほとんどギャグの域に達していてさすがに如何なものかと思いますが、こんなところで目くじらを立てるのは野暮というものでしょう。

 それにしても、やはりこうしてみると、幸村は歴史上(というより巷説上)の人気人物にふさわしいキャラ立てがされているものだと感心します。
 強大な敵に対し、忠義の念とただ己の全力を尽くすことだけを胸に、立ち向かう。そして、味方側の小人ばらに足を引っ張られなければ歴史上の勝者になっていたかもしれないという点。判官贔屓の日本人の気質にぴったりと合った設定と申せましょう(そしてまた、立川文庫発祥の地の大坂方の人間であること、江戸幕府を開いた家康と張り合ったことも大きいのでしょう)。
 なるほど、講談はもちろんのこと、今の今に至るまで、小説のみならず様々なメディアのエンターテイメントの中で幸村が一貫してヒーロー扱いなのもよくわかるというものです。

 この講談名作文庫、さすがに三十年近く前に出版されたこともあってそれなりに手に入りにくい面もあるのですが、少しずつ集めて紹介していきたいと思っています。

 

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