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2004.11.03

大江戸殺法陣 斬る

 ある事件から国を捨て、江戸に辿り着いた三木兵庫は、ある事件をきっかけに、柴道場の師範代として暮らすようになる。そんなある日、道場主の娘・千草の恋人が、江戸を騒がす通り魔の餌食となって殺害されてしまう。下手人を追う兵庫だが、その前には意外な陰謀が待ち受けていた。

 城駿一郎先生の新シリーズ開幕編。期待通り、相変わらず水準以上に面白い作品で満足。相変わらず主人公は二枚目半だし、悪人は色魔か殺人鬼(かその両方)だし、無闇にサービスシーンはあるし…と、典型的な大衆時代小説なのですが、それでも同クラスから城先生の作品が抜きんでいるいるのは、典型的な題材をそのままで終わらせない、職人技的一ひねりの存在。

 今回の作品、少々ネタバレをしてしまえば、淫奔でMなお姫様のご乱行が事件の背後にありまして、最初は、ああよくある「今吉田御殿」(時代もので今ってのもヘンですが)ネタかなあ…と思っていたらとんでもない。
 実は姫様がそんな風になってしまった背後の事情というものがあり、それが解き明かされていくうちに、加害者であったものが、実は被害者であったという逆転の構図が物語の中に浮かび上がってくるのです。
 そしてさらにそれが、一つの悲恋譚につながっていく様たるや、まったくそうした展開を予想していなかっただけに、大変に驚かされた上に、主人公の怒りに共感することができました。

 失礼な言い方を承知で言えば、城先生の作品は、安心して食べられるのだけれども、ちょっとした隠し味にいつも驚かされる、腕のいい定食屋、という印象があります。歴史小説ファンやマジメな時代小説ファン、常に斬新な作品を求める伝奇者(あと女性の方)にはちょっとお薦めし難いですが、ただ面白い作品を読んでみたいな、という時代小説好きの諸兄には十分お薦めできます。

「大江戸殺法陣 斬る」(城駿一郎 ベスト時代文庫) Amazon bk1


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