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2005.02.11

鬼平殺し

 えとう乱星の新シリーズ第1作。それまで得意としていた伝奇ものから少し離れた捕物帖的内容の作品となっていますが、そこはただの作品で終わるわけはなく、タイトル――そしいて冒頭からインパクト十分となっています。

 なにしろ、あの鬼平こと火付盗賊改長谷川平蔵がいきなり死体となって発見されるところから始まるのですからとんでもない。
 そして探偵役である主人公・惣太が、流れ板(そしてその正体は…)の青年というのがまたひねったところ。自然と操作方法はその職業・特殊技能を活かしたものとなるのが新鮮ですし(そしてまた、この作品の池波正太郎リスペクトの表れでもでもあるわけですが)、何よりも惣太の作る料理のうまそうなこと! ことに、冒頭で登場する葱和は、シンプルながらもその味を想像すると…という一品で、うむ、実にうまそうです。

 ただ少々残念なのは、主人公の正体とその目的が、かなりさらっと描かれてしまうところで、もう少しケレン味があってもいいのかな、特にその目的は、使い方によっては一本独立した作品が書けそうなだけに、勿体ないという印象があります(まあ、正体については副題で出てしまっているのですが…)。

 ちなみにえとうファンとしては、重要なサブキャラクターとして松平佐金吾が登場するのがうれしいところ。佐金吾が平蔵に対して垣間見せる、不器用な男同士の友情は、なかなか胸に来るものがありました。


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