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2005.03.17

荒木又右衛門

 天下三大仇討ちの一つ、ご存じ荒木又右衛門の鍵屋の辻の仇討ち譚です。
 内容的には又右衛門の生い立ちから始まって、修業時代のエピソードや柳生宗冬への奥義伝授(奉書試合)といった前フリを経て、本題の仇討ちに入っていくという、豪傑ものの講談では定番のパターン。史実では又右衛門は、男色のもつれ(横恋慕)から殺害された義弟の仇討ちでしたが、さすがに講談のネタ的にはアレなのか、小人の逆恨みで殺された義父の仇討ちとアレンジされておりました。
 史実の方は、ある意味江戸時代の武士道のネガティブサイドがもっとも色濃く出た事件として、個人的に非常に面白く思っていたので、このアレンジはいささか残念ではありますが、講談に史実との関係を言うのも野暮な話ではありますね。

 しかし何よりも驚かされたのは、陰険一歩手前の又右衛門の策士ぶり。宗冬に接近するための手練手管から、義弟数馬の心底を試すための一芝居、そして仇の河合又五郎一党を追って繰り広げる神経戦・情報戦の数々には、又右衛門に対して持っていた豪傑としてのイメージを覆されました。
 ことに又五郎一党との神経戦・情報戦は、講談なりの単純さで描かれてはいますが、なかなかに新鮮なイメージでありました。
 もっとも、同じ主君に仕えていたいわば同僚でありながら、又五郎側についた桜井兄弟への又右衛門の「神経戦」の数々(主君の前で暴言をはいて挑発した上で御前試合で叩きのめす、旅に出た兄弟を追って執拗にたかり続ける等々)は、桜井兄弟が明らかに又右衛門より格下に描かれているだけに、陰湿極まりない虐めにしか見えず、ああ、又右衛門さんもやっぱり柳生流なんだなあとわけのわからない感心をしてしまったことです。

 よろしければお願いします


「荒木又右衛門」(講談名作文庫)


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