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2005.03.31

西行桜

 天才能楽師にして呪禁道を継承する世阿弥が数々の怪異と対決する「西行桜」「葛城」「鉄輪」、仕込み琵琶を操る平安京一の狩籠師(退魔師)闇源氏の活躍を描いた「無傷」「寝物語」「腹子石」、数々の霊異譚を持つ元三大師良源が震旦の妖女と対決する「降魔大師」の七編を収録した短編集。

 最近はすっかり真面目な大作ばかりになってしまった作者が、バリバリと伝奇アクションものを書いていた時期の作品が収められています。
 身も蓋もない言い方をしてしまえば、長大なシリーズになり損ねたシリーズの集まりなのですが、さすがは火坂先生、どの作品も皆きちんと楽しめるものとなっていました。

 特にどの作品も、主人公の設定に趣向が凝らされていているのが面白いところ。例えば、世阿弥が伝奇時代ものに顔を出すのは珍しいことではありませんが、この作品集では、能楽の源流としての呪禁道を会得した退魔師としての側面を与えられており、視点のユニークさがうかがえます。

 ものすごい名作! というわけではないですが、伝奇好きが読む分にはどれも楽しく読める作品集ではないかと思う次第です。

 よろしければお願いします


「西行桜」(火坂雅志 小学館文庫) Amazon bk1


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