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2005.05.23

「山賊王」第7巻

山賊王 7 (7)
 楠木正成ら「悪党」らの視点から「太平記」の時代を描いたコミックの最新刊。この巻では、正成らの籠もった赤坂落城(とその奪回)から宇都宮公綱撃破までが描かれています。
 この巻では、主人公である少年・長門は今回は脇に回り、長門の師であり育ての親である正成の快進撃がメインですが、よく考えたら正成はほとんど前巻後半が初陣みたいなものなので、これは仕方がない(?)ところでしょう。

 この辺りは史実でも有名なエピソードが多いので、物語の中でも比較的史実に忠実な展開が見られるのですが、面白かったのは正成の未来記被覧のエピソードの処理の仕方。
 聖徳太子が遺したという予言の書・未来記は、その来歴の面白さといかにも謎めいた内容から、この手の話が好きな人の間ではよく知られたアイテムであり(未来記と聖徳太子の予言を中心に据えた伝奇ものとしては火坂雅志先生の大作「神異伝」がありますね)、楠木正成がこの未来記を手にした、というのがまたいかにもそそるエピソード。
 その未来記が実は…という展開は、一読「そんなのあり?」という気もしましたが、「言われてみればそうだよなあ」という不思議な説得力があり、また、この作品ならではの正成像が垣間見られて実に面白いと思いました。

 ただ一つ気になるのは、――これは今に始まったことではないのですが――長門や正成が戦う相手が、ほとんどボンクラもしくは悪人という、いわば「倒されて当然」な連中であること。
 これはもちろん好みの問題もあるとは思いますが、個人的には、主人公側の計略が100%大成功というばかりでは、勝利した時のカタルシスも薄れていくように思いますし、たまには「敵ながら天晴れ!」という相手とも対峙してもらいたいものだと、正直思う次第です。
(個人的にはやはり足利尊氏辺りにその役を期待しているのですが、鎌倉幕府を倒して作品が終わってしまったらどうしよう…)


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