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2005.05.20

二つの水滸伝

 「水滸伝」はある意味日本の時代伝奇の源流の一つ、という間違ってないけど…な理由からこのblogでは「水滸伝」も扱います(一番の理由は私が「水滸伝」機知GUYなだけですが)。
 さて、日本で現在進行中の水滸伝小説と言えば、「絵巻水滸伝」北方謙三の「水滸伝」なわけですが、その最新の回が相次いで発表されました。

 絵巻の方は、現在vs曽頭市戦第1ラウンド。晁蓋率いる梁山泊軍と曽家五虎率いる曽頭市軍がひたすら激突というのがメインで、話の進展自体はあまりなし。
 それでも晁蓋と史文恭の過去エピソードあり、曽頭市に潜入するも苦闘中の阮三兄弟&穆弘の描写ありと、物語にはそれなりの厚みが生まれています(特に穆弘はロマンスの予感か?)。正直、合戦描写はあまり面白くないので、こういうところで頑張って欲しいですね。
 また、絵巻は元々悪役のキャラクターにもかなり描写を割いているのですが、原作では単なる「敵」という印象だった史文恭&曽家五虎(とそのオヤジ)のキャラクターもなかなかに個性的で面白い。特に曽オヤジは出番は少ないですが、息子たちを食いかねない迫力の持ち主で、原作では味付け程度だった女真族出身という設定がかなりクローズアップされていて独特のキャラを生み出しています。

 最近(といっても休載凄かったですが)の絵巻は、vs曽頭市、史文恭らの晁蓋暗殺計画、vs樊瑞ら芒蕩山組、盧俊義引っ張り込みと複数の流れがあって、それが面白くも話をややこしくしている面があったので、そろそろまとめていって欲しいですね(おそらく次回ラストあたりで一つ整理がつくような…)


 そして北方水滸伝の方は、いよいよラスト一回前。
 これまで一つ一つ拠点を潰され、いわば手足をもぎ取られたに等しい梁山泊ですが、あまりに強大な童貫率いる官軍の前に今回も苦闘の連続。おそらくこれまで描かれたあらゆる「水滸伝」の中で、最大級の苦戦・死闘を強いられているのではありますまいか。
 史実でもかなり怪物であった童貫ですが、この北方水滸伝の童貫なんて、どうやったら倒せるのか見当もつかない怪物ですなあ…素晴らしい。

 あまりネタバレはできませんが、今回も馴染みのキャラクターたちが一人また一人散っていき、ついにはあの地まで…というところで、いよいよ次回が最終回。
 正直、原作が原作ですし、作者も滅びゆく男たちの美学を書かせたら当代右に出るものがない方なので、結末はまあ、予想がつくのですが、宋江ら叛徒が大宋国に挑んだ戦いの結末がいかが相成りますか、来月号が今から待ち遠しい。というかタイムマシンあったらすぐ来月に跳ぶよ! と言いたくなるほどであります。
 ただ、(これは真面目なファンには絶対怒られますが)戦場での格好良い死に方のバリエーションというのもあまり無いような気もするので、さすがにキャラが散っていく描写が続くとちょっと食傷気味、という気がしないでもありません。

 個人的には、呉用の性格が自分と似ているように感じられるので、みんなあんまり呉用をいじめんといて下さい…確かに今月もダメ人間でしたが(頼むから最後くらい見せ場を下さい)。


 それにしても、全く趣の異なる二つの「水滸伝」がほぼ毎月並行して連載されている、というのは、水滸伝ファンにとって大変に幸せなことでありますし、そしてそんな幸せを味わえるのは、世界中ではおそらく日本だけでないかな、と思う次第です。

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