« 無住心剣術の剣戟を堪能 「幻影の天守閣」 | トップページ | 今週の「SAMURAI DEEPER KYO」 週刊少年マガジン第31号 »

2005.06.24

凶刃対妖刃 「シグルイ」第4巻

シグルイ 4 (4)
 異常なテンションでひた走り続ける残酷無惨剣戟時代漫画「シグルイ」の待望の最新刊が発売されました。
 ストーリー的には新章に突入といったところ、その一方でさほど展開のない巻ではありますが、まったくもって、読んだ後に何から感想を書けば…と思ってしまうような密度の濃さ。一言でこの巻を表せば、「凶刃対妖刃」と申せましょうか。
 自流派の誇りを守るためであれば、たとえ無実の者であってもためらいなくその手にかける(まったく掛川の治安はどうなっているのか! と思ったら統治者が一番のアレなのでどうしようもないのでした)虎眼流門弟衆を「凶刃」の群れとすれば、彼ら虎子を一人、また一人と狩り立てていく「妖刃」の影。

 この巻に収められた各エピソードは、ある意味同じパターンの繰り返しではあるのですが、虎子一人一人の強烈なキャラクターが、ほとんどホラー漫画並みの執拗な描写の積み重ねで描かれているため、全く食い足りなさというものはありません。
 それでいて、この巻のラストエピソードの中の見開き一つの描写で、彼らも一個の血の通った人間であることを見せてくれるというのは、やはり見事としかいいようがありません。単にショッキングな展開や描写で読者を驚かせるだけでなく、その中に、綿密な描写でもって人間のある種の生の姿が克明に浮き彫りにされているのが――原作者である南條範夫先生の作品がそうであったように――この作品の大いなる魅力だと思っております。

 唯一残念な点があるとすれば、凶刃の中の凶刃(というか狂…)たる我らが虎眼先生の出番が非常に少ないことですが、しかしそのわずか数ページの出番が、トラウマ級の迫力を備えており、実に行きとどいております。
 そして次の巻では、いよいよ虎眼先生が本格始動となる見込み。ああ、今から次巻の発売が待ち遠しいことです。


 ちなみに、この作品が連載されている「チャンピオンRED」誌の最新号において、作者の山口“若先生”貴由への100問100答が掲載されたのですが、さよならテリー・ザ・キッド様が、これを全てテキスト化するという偉業を成し遂げられておりますので、未読の方はぜひ。
 何というか、同じ号に登場した富野由悠季が書いているといっても違和感のないようなテンションです。


「シグルイ」第4巻(山口貴由&南條範夫 チャンピオンREDコミックス) Amazon bk1

|

« 無住心剣術の剣戟を堪能 「幻影の天守閣」 | トップページ | 今週の「SAMURAI DEEPER KYO」 週刊少年マガジン第31号 »

コメント

はじめまして。ベンと申します。
自分もシグルイにはまっております。
掲載誌を見ていないので今どういう状況なのかよくわからないのですが、夕雲というのは何者なのでしょうか?
そして4巻で九郎衛門が殺られたときに伊良子の後ろにいた巨漢ともう一人の女性(いく?)は誰なんでしょうか?よろしくおねがいします。
http://www.dennoukukan.com/

投稿: ben | 2005.07.26 01:02

ベンさんはじめまして。コメントをありがとうございます。
私もまだ最新号は読んでいないので、正直なところ彼らについては何とも…というところです。すみません。
原作に登場するキャラクターではありませんしね。
夕雲と聞いた時は、無住心剣術の針ヶ谷夕雲のことかとびっくりしましたが、明らかに同名の別人でしょうね。

投稿: 三田主水 | 2005.07.26 23:11

そうなんですか。
ということは4巻からそんな話がすすんでないんですね。
でもシグルイはまったく話のテンションが下がりませんね。面白いです。
これからもよらさせていただきます。それではまた。

投稿: ben | 2005.07.31 00:52

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/4681553

この記事へのトラックバック一覧です: 凶刃対妖刃 「シグルイ」第4巻:

» シグルイ 4 (4) [waterbird.jp]
「シグルイ 4 (4)」へのトラックバックを受け付けました。 [続きを読む]

受信: 2005.06.24 00:22

« 無住心剣術の剣戟を堪能 「幻影の天守閣」 | トップページ | 今週の「SAMURAI DEEPER KYO」 週刊少年マガジン第31号 »