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2005.06.20

「黒田・三十六計」久々掲載-「コミック乱ツインズ」7月号

 今月も買いました「コミック乱ツインズ」
 今月号は、私が楽しみにしている連載四本、すなわち「武蔵伝」「伊庭征西日記」「真田十勇士」「黒田・三十六計」が全て載っていた(というか「黒田・三十六計」が久々に掲載されていた)のでお得感が高い一冊でした。

 「武蔵伝」はまた新たな武蔵が登場。あからさまに偽物ですが。今回はどちらかというとギャグ比率が高く、特に武蔵たちが口々に巌流島の決闘の様子を自慢し合う様子は、フィクションの中の宮本武蔵という存在に対する皮肉とも読めてなかなか愉快でありました。そしてそこから一変してのアクションシーンでは、「義経武蔵よ」「オオ 新免武蔵」という阿吽の呼吸で太刀を振るう(しかも狭い廊下で二人並んで!)息のあった二人の武蔵の姿が実に格好良いのでした。

 「伊庭征西日記」は、正直、絵の方がかなりメタメタなのですが、初登場の新選組が、実に森田漫画らしいバイオレンス集団っぷり。特に、伊庭にはにこやかに接しながら、敵対した長州浪人たちには一切容赦しない黒さが凄まじい。近藤でこれなら土方は一体どうなることでしょう。
 しかし何よりもこの作品が楽しいのは、そんな血腥い世界を描く一方で、カステイラを食べて「これ!!(中略)甘ァい!」と「駅前の歩き方」の花房先生ばりに喜ぶ伊庭の姿。たぶんこの調子で毎回伊庭が何か食べるシーンがあるのでしょうね。やっぱり「幕末の歩き方」です。

 「真田十勇士」はセンターカラー。えらいじっくりとした描写が続くので物語はあまり進んでいないのですが、いちいち気合いの入った人物の表情が素晴らしい。特に扉ページの十勇士勢揃いは、見ているだけでワクワクするものがあります。

 そしてお待ちかね「黒田・三十六計」は「擒賊擒王」の章が完結。荒木村重の城に捕らえられて長期の監禁生活という連載始まって以来の危機に陥った官兵衛ですが、独房の中で密かにしたためた「擒賊擒王」――すなわち主君と家臣を分断させ、主君を孤立させる計――を信長に授けて、村重を孤立させ、ついには荒木の勢力を壊滅させるという意表を突いた手を見せました。
 今回の見所は、計によるとはいえ主従が分断され孤独に去る他なかった荒木村重と、病に冒された中で主君や盟友からその身を案じられ惜しまれつつ逝った竹中半兵衛のコントラストでしょうか。弱肉強食の世界を描きながらも、人と人との心の結びつきを何よりも尊重すべきものとして描くこの作品ならではの描写であったと思います。
 その一方で、宗教を弾圧する信長に対し、フランクな怒り方を見せる村重には、作者の姿が一瞬だぶって見えたのも面白いところです。
 次回から新章突入ということですが、しかし次号予告には載っていないのが残念至極…増刊の方で信長ものを連載されるようなので、しばらく不定期連載なのでしょうか。

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