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2005.06.26

職人芸的うまさの娯楽作 「大江戸殺法陣 紅き炎」

大江戸殺法陣 紅き炎  将軍家斉により信州の小藩へ転封された本郷大和守は、逆恨みから凄まじい威力をもつ大砲により将軍爆殺を目論む。一方、素浪人・三木兵庫は、かつて自分が禄を捨てる原因となったある事件の真相を探るため、かつての主家を探ることを決意するが、その主家こそが、本郷家だった。果たして過去の事件の真相は、そして兵庫は大和守の陰謀を阻むことができるか!?

 サルベージシリーズその6。最近いきなりタイトルを変えてシリーズ第3作が発表された三木兵庫シリーズの第2作です。
 シリーズ第1作「大江戸殺法陣 斬る」では主人公の設定の一部として語られたのみだった、兵庫の過去――妻と友人が不義の果てに心中したという事件――にまつわる事件がここで解き明かされるのですが、そこに暗殺というにはあまりにド派手過ぎる将軍抹殺の陰謀が絡むのが面白い。

 もちろん主人公たちの活躍によって謎は解明され、陰謀は未然に防がれて悪は滅びるのはわかりきっているのですが、それでも読んでいる間は読者の気を逸らさずに、十分に楽しませてくれるのがこの作品。そしてまた、人死にも決して少なくはないのですが、それでも作品の雰囲気が変に重くなったり暗くなったりしないのは、巧みにユーモアが織り込まれているからであり、純粋にエンターテイメントを期待している者としては有難いところです。
 …つまり、これまでの作品がそうであったように、この作品もまた、いかにも作者らしい職人芸的うまさが満載されていると言えるでしょう。

 あまりハイブラウな時代小説ファンを自認する人には薦めにくいですが、学研M文庫に廣済堂文庫、ベスト時代文庫やコスミック時代文庫のファンならば安心して楽しめる、というか是非読んでいただきたい作品かと。


「大江戸殺法陣 紅き炎」(城駿一郎 ベスト時代文庫) Amazon bk1


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