さくらがんばる! 今週の「Y十M」
いや、さすがにこりゃイタタなタイトルだ。反省。
さて、隔週連載もだいぶ(読者の側も)慣れてきた「Y十M」、今回は会津七本槍による般若侠の正体推理と、十兵衛先生による堀の女たちへのスパルタ教育スタート、といった趣。
どちらの場面も、原作にほぼ同じシチュエーションがありますが、そのイメージを壊さないようにしながら、オリジナルの展開・描写を交えているのがミソ。
会津七本槍のシーンでは、「猿」呼ばわりの小ネタで笑わせつつも、一転、七本槍の異常さを印象づける無惨絵のインパクトが鮮烈。
一方、より独自の展開となっているのは十兵衛による堀の女たちの特訓シーン。このシーン、原作にはありません。より正確に言えば、この位置にはなく、もう少し後で描かれる場面なのですが、物語の展開とキャラ立てを考えると、ここで描いておく方がむしろ適切に思えます。
この特訓、堀の女たちには真剣を持たせ、十兵衛自身は扇で相手をするというもの。怒る者、ためらう者ある中で、真っ先に十兵衛に挑んだのは、ボーイッシュな(ほとんどバジの夜叉丸)さくら。当然のことながら一撃で叩きのめされるわけですが、さくらのキャラクターを強く印象づけられたのではないかと思います。
連載開始時にも書いたような気がしますが、原作のほぼ唯一と言っていい弱点が、堀の女たちの個性の薄さ。この「Y十M」では、その点を意識してか、意図的に七人のキャラクターを立てに来ているようです。素晴らしい。
さて、今回までで
十兵衛 >>> 会津七本槍 >>>>>>> 堀の女七人
という強さ設定がはっきり見えたわけで、その上で、会津七本槍と堀の女たちとの間の不等号を如何に十兵衛が――自身で手を下さずに――逆転させるかというゲームのルールも見えました。
おそらくはこれよりが本章、毎回毎回楽しみにしておりますが、新しい展開を見せるであろう次回がより一層楽しみであります。
なお、講談社ノベルスより、せがわまさき先生の表紙イラストでこの「Y十M」の原作たる「柳生忍法帖」と、「バジリスク」の原作の「甲賀忍法帖」が復刊される旨、せがわ先生の公式サイトで告知されておりました。
買う。当然買いますよ。特に「柳生忍法帖」。
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