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2005.08.28

草木に心がないものか 「暗夜鬼譚 細雪剣舞」

細雪剣舞―暗夜鬼譚
 もうすぐシリーズ完結だしここでまだ採り上げてなかった分をサルベージシリーズその2。レーベルをスーパーファンタジー文庫からコバルト文庫に変えての第一作です。
 前作で新章突入、となったのにレーベルが変わってしまう、といういささかタイミングの悪いことになってしまったためか(これはもちろん、作者の責任ではないのですが)、冒頭に、軽い人物紹介&これまでのあらすじといった趣の短編「あおえがたり」が収録されています。

 さて、本編の方は、上記のような事情もあってか、あまりシリーズ全体としてのストーリーの動きは少ない、単発エピソード的内容となっています。常連悪役(?)であり、今は帝の子を宿した承香殿の女御のもとに恋文が届けられるという一種の椿事の陰には、人ならぬ者の恋情が。そしてその想いが人の悪意に歪められたとき、惨劇が――という展開で、相変わらず堅実に面白い。
 シリーズものの強みでもあるのでしょうが、きっちりとキャラが立った登場人物たちが動き回り、物語を展開していくため、安心して読むことが出来ます。堅実すぎるきらいもないですが、今回登場する青竹の怪のように、いかにも平安怪奇譚的な怪異のチョイスは、うまいものだと感心させられます。

 そして一連の怪異の背後には、前巻にも登場した謎の白拍子の影が。果たして彼女の正体は?(シリーズ通して読んできた人間には明らかですが)という引きもあり、そして今後の夏樹の運命を微妙に予感させる描写もありというところで以下次巻なのでありました。


「暗夜鬼譚 細雪剣舞」(瀬川貴次 集英社コバルト文庫) Amazon bk1

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