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2005.09.14

そして10年…修羅が立つ 「修羅の刻 雷電編」第2回

 陸奥左近と名乗る男と土俵上で対峙する雷電。相手の体を気遣った投げを見せる雷電をあっさりと打倒した左近の前に、谷風が現れ相撲で勝負を挑む。相撲で勝ったが深手を負った谷風は、それが元で世を去り、雷電に十年間は相撲界を支えるよう遺言を託す。それから十年、奥州巡業に出た雷電は、陸奥らしき者の噂を聞きつけ、おびき出そうとする。その前に現れたのは左近の娘・葉月だった。

 今回も実に骨太で面白い「修羅の刻」。今回は起承転結の、承と転と言ったところでしょうか。過去に張り手で人を殺してしまった記憶から力をセーブする雷電では陸奥に敵わず、師の谷風が代わりに戦い、それが原因となって死亡(こうやってみると陸奥がまるっきり悪役ですね)、その事件がきっかけとなって雷電が横綱を名乗ろうとしなかった、というのはなかなかうまい設定だと思います。

 そして十年後、奥州(やはり陸奥は北の人間か…)巡業でついに陸奥と対峙する雷電ですが、そこでの台詞が実に良い。
「今のわしは 他の技でも人を殺せる」
 ここで言う「他の技」とは、張り手以外の技、という意味。上記の通り張り手で人を殺し、谷風に入門以来張り手を禁じ手にしていた雷電がついに封印を解いた…と思いきや、それ以外の技でも人を殺せるという言葉が出た意味は、張り手が人を殺すのではなく、自分自身が人を殺すということ。
 「修羅の門」「修羅の刻」(特に前者)を通じて描かれる修羅の条件の一つは、人を過失でなく、自らの意志で・自らの手で殺せるか、というもの。その観点からすれば、雷電もまた、修羅の一人たり得る条件があるということなのでしょう。

 そしてついに激突する雷電と陸奥…というところで以下次号(最終回)。次回が実に楽しみです。


 …ちなみに春日が本当に女か、小生いまだに疑っております(表紙まで飾っておいて男ってことはないとは思いますが)。
 そして女といえば、雷電の奥さんはわずか数ページの出番ながら、非常にいい女ぶりを見せているのが印象に残りました。

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