木刀勝負が魅力 「秘太刀馬の骨」第2回
金曜日のお楽しみTVドラマ版「秘太刀馬の骨」(原作本はこちら)、第2回は「受けの沖山」こと沖山茂兵衛との対決、そして矢野道場の長老・内藤半左衛門の登場の辺りまでが描かれています。
今回のハイライトはなんと言っても主人公・銀次郎と茂兵衛との対決シーン。弱みを握って茂兵衛を引きずり出した銀次郎は、生死の境ぎりぎりの仕合の中で相手の秘太刀を誘い出すべく、危険な木刀での勝負を挑む(これが毎回のパターンなのですが)わけですが、そうして始まったこの仕合がまた…いい意味で実に汚い。
つばぜり合いの状態で腕や足を絡め、相手を引きずり倒す、至近距離から相手の顔面に頭突きを連発…などと全くなりふりかまわない、美しさとは無縁の、全くもって滅茶苦茶な戦いなのですが、それが、「きれいな」殺陣がほとんどの最近の時代劇を見慣れた目には、実に面白い。
一歩間違えると子供の喧嘩になってしまうのですが、それをギリギリのところで踏みとどまって、ガツンガツンとぶつかりあうのが、何ともプリミティブな迫力に溢れていて、むしろ爽快さすら感じます。
考えてみればこんな無茶な殺陣ができるのも、竹刀でもなく真剣でもなく、木刀での勝負という設定ならでは。必ず木刀で勝負するという設定が、このような形でドラマを盛り上げることになるとは、映像になってみないとわからないことだったと思います。
ちなみに決着シーンは、狭い道場の中のはずなのに銀次郎が遥か遠くからまさしく奔馬の如く突進、宙に舞った銀次郎を迎え撃つ太刀…という、冷静に見るとかなり突っ込みどころのある演出なのですが、これは第1話の決闘シーンでも見られた演出。してみると毎回このパターンで行くのではないかと思うのですが、主人公が必殺技を放つシーンの演出がパターン化されるのは珍しくありませんが、主人公が必殺技を喰らうシーンの演出がパターン化されるというのは、前代未聞なのではないか、と思います。
演出と言えばこの作品、真面目に見ているとかなり頭を抱えたくなる珍妙な演出がしばしば見られます。あからさまに作り物めいた太陽や、ピアノ線が丸見えの蝶々など…もちろん、わかっていてやっている演出なのは間違いないのですが、見ていてちょっと引くのも事実。今回は突然黒子が出てくるシーンもありましたし、登場人物たちのやや過剰なまでの演技ぶりから考えると、舞台的な味わいを狙っているのかなあ…という気がしないでもありません。
そして後半は、銀次郎が半左衛門と対面するシーン。半左衛門の息子の嫁が、半左衛門の着物を着せ替えるシーンで、二人のただならぬ関係を感じ取る銀次郎というのは原作通りですが、屋敷に帰ってみると自分が想いを寄せていた女中の多喜が、叔父の着物を着せ替えていて…というのは、何とも皮肉で面白い演出でした。こういう演出は大歓迎ですね。
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