« 松平蒼二郎再び 「陰流・闇始末 悪人斬り」 | トップページ | まずは大健闘 「SHINOBI」 »

2005.09.20

いよいよ物語は佳境に 「秘太刀馬の骨」第3,4回

 いよいよ佳境に入ってきたTVドラマ版「秘太刀馬の骨」(原作本はこちら)、前回書き損ねたため二話まとめて。

 まず第3回「拳割り」は、前回の続きの内藤半左衛門との仕合があり、そして高弟三番手・長坂権平のエピソードまでが収められています。
 内藤半左衛門役は、個人的に好きな役者さんの本田博太郎氏なので、エピソードが二話に分かれてしまったため印象が些か薄くなってしまったのが残念なのですが、銀次郎の防禦の上からも構わずガッツンガッツンぶん殴る殺陣は豪快で、奇妙な爽快感すらありました。
 そして長坂権平の方は――原作では私が一番好きなエピソードだったのですが――芸達者の尾美としのり氏の好演もあって、なかなか良くできたエピソードに仕上がっていました。特に、権平が本気を出してからの勝負は、それまでのバタバタしたチャンバラから一転しての一撃必殺ぶりが印象深く、サブタイトルとなっている「拳割り」の説得力も十分でした。

 しかし何よりも印象的なのは、この回のエピソードの背後に、様々な母と子の姿があること。半十郎の妻・杉江と直江、半左衛門の息子の嫁とその子供、権平の妻・登実とその腹の中の子、多喜とその腹の中の子、そして銀次郎とその母…男どもが殺伐と闘っている後ろに、母と子――妻子の姿があるというのは、なかなか面白い対比だと思います(だからどうした? という見方もできますが…)。


 そして第4回「甦る対決」は、半十郎の部下・飯塚孫之丞のエピソード。好きだった女性のためを思って、彼女との結婚がかかった御前試合でわざと負けたという孫之丞の過去を暴いて仕合に持ち込む銀次郎の姿は、さすがにやりすぎ感が強く、結果オーライならそれでいいんか、と言いたくなってしまう結末を含めて、原作では個人的に一番すっきりしないエピソードだったのですが、ドラマの方では、銀次郎の姿に、好きな女を前にして手をこまねいていただけだったという孫之丞に自分の姿を重ねていたのかな、と感じられる部分があり、感心させられました。
 上記の第3回の母と子といい、ドラマの方では、原作にあった要素をうまくつなぎあわせて見せてくる演出が色々と見られ、個人的には好印象です(もっとも、それ以上に珍演出が多いのですが…)

 …が、凄まじかったのは孫之丞と銀次郎の仕合シーン。孫之丞、仕合中に叫ぶ! 吠える! いやまったく、時代劇で久々に怪鳥音を聴きました。
 まったく、女性人気がなかったのは顔というよりファイトスタイルのためではないかと。

 と、それはさておき、全体のストーリーの方は、銀次郎のやり方の汚さと家老の酷薄さについに半十郎が反発、派閥からの離反と介添役お役御免を宣言するという展開。そして銀次郎の方も何やら江戸表との動きで含むところがあるらしく…と大きく動き始める雰囲気に。
 これから先の展開は、主人公は銀次郎と謳っている以上、原作とドラマでは大きく異なってくるはず。真面目な原作ファンの方は怒るかもしれませんが(いやすでに怒ってると思いますが)、ここまで来たら、もう一つの「秘太刀馬の骨」の世界を全うして欲しいなと、私は期待しています。

|

« 松平蒼二郎再び 「陰流・闇始末 悪人斬り」 | トップページ | まずは大健闘 「SHINOBI」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/6025538

この記事へのトラックバック一覧です: いよいよ物語は佳境に 「秘太刀馬の骨」第3,4回:

« 松平蒼二郎再び 「陰流・闇始末 悪人斬り」 | トップページ | まずは大健闘 「SHINOBI」 »