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2005.10.09

そして迎える大団円 「秘太刀馬の骨」第6回(最終回)

 感想が遅くなってしまいましたが、TVドラマ版「秘太刀馬の骨」もついに最終回。前回ラストで大怪我を負って半十郎の家に担ぎ込まれた銀次郎は、半十郎とともに、前回対決したばかりの北爪平九郎のもとへ。
 ここで銀次郎は叔父・小出帯刀の陰謀について平九郎と半十郎の前で語る銀次郎ですが、原作とは異なり、銀次郎には父から、いざとなれば帯刀を斬ってでも主君と家を守れと命じられていたという設定(銀次郎を主人公とする上では、なかなか面白いアレンジだと思います)。
 そして原作ではお互いを利用し、利用されるというドライな印象にあった銀次郎と平九郎の面談シーンですが、こちらでは前回の仕合を通じて心を通わすという描写があったためか、むしろ闘いを通じて理解し合った同士が共通の目的に向かって手を組むというニュアンスがあり、その後の矢野道場高弟衆が助っ人として味方につく展開も、むしろスムーズに受け入れることができました。

 その後色々あって(省略)帯刀の陰謀を知る証人の口封じを図る怪剣士・赤松と、謎の覆面剣士との死闘を目撃する銀次郎と半十郎。
 ここで赤松がフェンシング殺法を使うのがえれぇ不評のようですが、私はあーフェンシングなんだ…という感じで、もう慣れました。怪鳥音の後ですから。時代小説でもフェンシング殺法使い今までいましたしね。「髑髏菩薩」の主人公とか(マイナーすぎだ)。
 そんなことよりも、あれじゃ馬の首は斬れないだろ、的な秘太刀の方が気になりました。豪快すぎるそのフォームと、その直後の銀次郎と覆面剣士(の正体)の対峙シーンは、なかなかよかったと思いますが。
 さらにその後、「秘太刀など幻だ」と言い切り、藩の暗部を闇に返そうとするのが、あれだけ秘太刀に執着を見せた銀次郎であった、というのはなかなか深いものが感じ取れるうまいアレンジであったと思います。

 そして迎える大団円。原作とはまただいぶ変わった展開ではありますが、銀次郎を主人公として描かれてきたこのドラマ版のラストとしてみれば、きれいにまとまった、そして実に気持ちの良いシーンばかりであった、良いラストであったと思います。
 ハッピーエンドの連発という印象でありますが、その中でも、杉江が多喜に対し亡き者との心のつながりについて語りかける場面と、銀次郎と半十郎が「権力の魔」と言うべきものについて語る場面は、ドラマオリジナルながらも、しみじみとした味わいがあってなかなかの名場面であったと思う次第です。

 予想通り、と言っては失礼かもしれませんが、真面目な原作ファンの方からは不評だったようですが、原作を離れた――と言っては何なので、原作をベースとしたTV時代劇作品としてみれば、本作は実に面白い作品であったと思います(諸所に見られた珍演出はどうかと思いましたが、実はNHK時代劇ってそういうの結構好きだから、まあこれも伝統かも…)。
 何よりも、内野氏をはじめとする出演者の方々が、皆、個性的で、それでいて妙なリアリティを持つキャラクターたちを楽しそうに演じられていて、それだけでもとても楽しい作品であったことです。


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