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2005.10.15

三豪傑ここに揃う 「岩見重太郎」

 狒々退治でお馴染みの(…って言っても若い人は知らないですね)豪傑・岩見重太郎の仇討ち記。少年期に山中に籠もって不思議な老人から武術を会得した重太郎が、武者修行の旅に出た途中で暗殺された父の仇討ちのために諸国を巡り、首尾良く仇・広瀬軍蔵らを討ち取るまでの物語であります。

 言ってみれば典型的な講談の仇討ち譚であって、善男善女が佞人ばらの凶刃にかかり、残されたものが諸国流浪で様々な出会いと冒険を重ねた末、天下万民の前で堂々と仇を討ってめでたしめでたし…というパターンからははずれない作品ではあるのですが、何と言っても面白いのは、クライマックスの決闘のスケールの大きさです。
 流浪の末、丹後中村家十四万石の指南役に収まった広瀬らは、暗君をたぶらかして重太郎との決闘に調練を名目に藩士三千人(!)を動員、ここで逃げるようでは講談の主人公にはなれませんから、重太郎もまっこうからこれに立ち向かい、天の橋立にて大血闘ということになります。
 しかし幾ら荒唐無稽が許される講談の世界であっても、一対三千ではさすがに旗色が悪すぎる…とばかりに助太刀に駆けつけるのは、塙団右衛門と後藤又兵衛という講談界の二大スーパーヒーロー。実は団右衛門も又兵衛も、その前に挿入される山賊退治のエピソードに登場して重太郎と交誼を結んでいるので、ここで登場するのはある程度予想は出来るのですが、それはさておき、仮面ライダーV3の危機に1号2号ライダーが帰ってきたというか、新マンの危機にウルトラマンとウルトラセブンがやってきたというか(たとえがいちいち古いよ今回)、三豪傑夢の揃い踏みで、これは講談を実際に聴いていた人は堪らなかっただろうなあ、と思います。

 …それにしても岩見重太郎も謎の多い人物で(例えば、何故重太郎=薄田隼人になったのか、いまだに私にはよくわかりません)、そもそも実在したかどうかも大変疑わしい人物ではあるのですが、そんな人物が後藤又兵衛・塙団右衛門といった豪傑たちと肩を並べ、豪快に暴れ回ることができる講談という世界は、素敵だな、とつくづく思った次第です。


「岩見重太郎」(講談名作文庫)

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