「替天行道 北方水滸伝読本」 替天の旌旗 青史に永遠なり
ついに完結巻・第19巻が発売された北方謙三版「水滸伝」ですが、同時に発売されたのがこの副読本「替天行道」。替天行道といえば、元々水滸伝では梁山泊の旗印ですが、この北方版では、それと同時に、宋江の革命思想を伝えるものとして幾多の好漢の心を動かした書物の題名であり、まこと副読本にふさわしい名前と言えます。
内容的には、作品が連載されていた「小説すばる」誌に掲載されていたエッセイ、推薦文の類でかなりの割合が占められており、正直なことを言えば、特に作者以外の者のエッセイに興味を持たない身としては「どうにもなあ…」というところもあるのですが、人名辞典(内容的には公式HPに掲載されているものと同じものの模様)や年表等、データ企画的なものはやはりとてもうれしい…というよりこれ目当てで買ったようなものですがですし、また、カンシ(毎回の連載時に表紙ページに掲載されていた惹句)が全話分収録されているのも、単行本派としては非常に有難いところです。
特にカンシは、ファンであればこれを見ただけで作中の名シーンの数々が浮かんでくる優れもので、読むたびにあの好漢の生き様、あの好漢の死に様が浮かんで、何だか非常に懐かしい気持ちにさせられました。
…そして年表のページの扉で「呉に因って誤る」と書かれてしまう呉先生(´Д⊂
巻末には注目の続編「楊令伝」に言及した、作者と北上次郎氏の対談も掲載されており、全19巻読みきったファンであれば、まず読んで損はない一冊かと思います。
ちなみにこの「楊令伝」、これまで以上に原典から離れた、というより水滸伝の舞台と人物を使った別の作品となりそうで、少々複雑な気分でもあるのですが、楊令vs岳飛が描かれるという噂もあり(立場的に十分すぎるほどあり得るシチュエーションではあります)、やはり楽しみであることは間違いありません。
…などと考えながら帰りに丸の内の丸善に寄ったら、まさに「水滸伝」完結記念の北方先生サイン会をやってましたよ! 嗚呼、知っていたら吉祥寺でなく丸の内でこの本を買ったのに…買ったのに…
それにしても昔から北方先生はイメージとビジュアルが変わらないですなあ。
| 固定リンク

コメント