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2005.11.14

「太閤と曾呂利 立川文庫傑作選」 お互いがいるからこその物語


 立川文庫第八巻の本編は、タイトルの通り太閤秀吉と、彼に仕える御伽衆・曾呂利新左衛門のお話。文庫本一冊の分量ですが、内容的にはショートストーリーの連続という形態で、とある縁から天下人秀吉に仕えることとなった新左衛門が、その機知に富んだ言動で、ある時は秀吉を笑わせ、ある時は秀吉を諫めるというのが基本パターンです。

 秀吉びいきの大坂原産の立川文庫だけあって、内容的には秀吉賛美、(個人的には秀吉嫌いの人間の)今の目で見ると苦笑するしかないマンセーぶりではありますが、そこに絶妙の茶々を入れる新左衛門がいて緩衝剤となっている印象があります。
 その逆に、あまりにもやることなすこと図に当たりすぎる(とんち物の主人公にはよくあることですが)新左衛門の存在も、そもそも無邪気に無理難題をふっかけてくる秀吉あってのことであって、一歩間違えると嫌みなキャラクターになりかねないところを救っているといえます。

 いわばお互いがいるからこそお互いのキャラと物語が成り立つという、なかなか面白い関係の二人であります。

 ちなみに物語中では、新左衛門に対比するように千利休が鼻持ちならない悪役として描かれているのですが、史実上秀吉と折り合いが悪くなって切腹させられたとはいえ、フィクションの世界で利休がこうしてあからさまにイヤな奴として描かれているのを見るのは初めてで、なんだか不思議な気分になったことです。


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