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2005.11.01

今週の「Y十M」 良くも悪くも…

 新章突入ということでセンターカラーの今回ですが、ある意味、良くも悪くもこの作品というものがくっきりと表れた回となりました。
 今回描かれるのは、十兵衛先生による堀の女の特訓コース。いつものようにどこか飄々としつつも、いつもよりも幾分――場面によっては相当に――厳しい表情を見せる十兵衛先生、か弱くも美しい七人の女性を前に、全く手加減なしの訓練を課しています。…それも、相手を倒すためでなく、相手から逃げるための特訓を。
 当然のことながら激しく反発する女たち、それに対して十兵衛先生が謎の言葉を口にしたところで以下次号。

 …うーん、話が進まない。以前から話が進まないのに無駄にハラハラしていましたが、今回もハラハラしてしまいました。話がとっちらかったり、横道に逸れているわけでもないのに話が進まないのは、一にも二にも、これでもか、と言わんばかりに丁寧に丁寧に描写が積み重ねられているからであって…別に悪いことではないのがかえって困ってしまうところ。
 必ずしも原作に100%忠実に描いているわけではないにもかかわらず、絵から受ける印象は原作から受けるそれそのまま、時として原作以上に原作らしいのでは、とすら感じさせられるせがわ先生の絵の魔力が、人物や物事の動静を的確に描ききるその描写力から来ているのは間違いないことであり、いつもながら感心させられることなのですが、連載漫画の一回として切り取って見たとき面白いかと言えば、それはまた別の話では…と失礼ながら思ってしまったのでした。


 と、偉そうに書いたすぐ後にこんなことを書くのは何なのですが、今回最初っから最後まで画面所狭しと飛び回る堀の女たちの姿が実に美しく…というかぶっちゃけ素敵に艶めかしいのにはつくづく感心してしまいました。
 肌の露出はほとんど全くないにもかかわらずあれだけアレなのは、「黒い襦袢に黒いたっつけ袴」という原作の表現をこれほどナニに昇華してみせたのは、これはもう一種の忍法と言っていいんじゃないでしょうか。しかもとどめとばかりに水濡れまで!
 これでこの後の蜂のシーンまで今回分に含まれていたら、大変なことになっていたと思うのでやっぱり今回はこのくらいの切り方でよかったのやも知れず。

 やはりせがわ先生は素晴らしい、丁寧な丁寧な描写万歳! と台無しなことを書いてこの稿おしまい。

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