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2006.01.10

八犬伝特集その五 TVドラマ「里見八犬伝」後編

 八犬伝特集第五回は、昨日に引き続き、TBSのTVドラマ「里見八犬伝」。今日は後編、まずは感想をざっと。

○富山で伏姫の墓に詣でる親兵衛たち。親兵衛の左手ネタは色々アレでオミットされるかと思いましたが生きていて良かった。…と、ここで親兵衛の超能力・風遣いが登場。うわ、犬たちが可愛すぎる。

○悪の秘密基地でぞんざいな縛られ方している浜路。顔を傷つけてやろうという玉梓に、あなたは醜いと言い返す浜路の無神経発言。いい勝負だこの二人。

○山賊を退治していたら馬加大記と出逢った荘助と小文吾。何故か荘助に興味があるらしい馬加大記。佐野さんにしてはいい人っぽいかなあと思った印象、30秒でひっくり返る。

○妙椿、管領のところにも出現、強引な話題振りで管領と成氏を組ませて里見攻めをそそのかす。浜路の暴言を気にして籠山逸東太に自分の美しさのことを確認するのが哀しい。しかし逸東太のくせにいい役だなあ。

○信乃・現八チームは化け猫話のある庚申山に。と、真っ昼間から襲ってくる化け猫。アップになると妙に可愛いですが、なかなか合成も頑張っていると思いました。そして何とか撃退した二人の前に赤岩一角の亡霊登場。何故現八と顔見知り!? と思ったら、そういえば赤岩親子は成氏に仕えていたのでした。

○足を洗えなかった上に失明までしている船虫。これだけ見ると船虫には見えません。普通に悲劇のヒロインです

○やっぱり荘助さんに目を付けていた馬加大記。荘助逃げて逃げて逃げてーっ!! 原作の親兵衛と細川政元ネタがこんなところに…? しかし佐野史郎さんは相変わらずいいお仕事してます。そして馬加の腹心らしき畑上語路五郎、原作では真面目でそれゆえ可哀想な目にあうキャラで、山口馬木也が演じているのでここでも良い人かと思ったら…

○船虫が悪女となって登場。何か時勢が混乱しそうな…しかし大角の奥さんの雛衣さんは? いや、さすがに妊婦のおなかを…というのはまずいですが、大角に切れって言ってもよろこんで腹切りそうだからなあ…あ、本当に切ろうとしてる!

○何はともあれ、雛衣が登場しないおかげで玉は何故か一角の頭蓋骨から飛び出すことに。そして再登場の化け猫、、確かに強いし怖いけど、神通力がありそうに見えないのがちょっと残念。どう見ても大きな黒ぬこです。ありがとうございました。

○踊りに乗じて馬加を斬る毛野。かろうじて三人で逃れたと思ったら、いきなり毛野を口説きまくる小文吾。俺は男だ! と胸はだけたときには素直に驚きました。しかしあの顔で女と思うなというのはやはり詐欺ではないかと思いますが、小文吾、男でもいいぐらい言えよ!<無茶言うな

○あっさりと合流した犬士たち。なんかいつの間にか仲間に入っていた道節ですが、玉梓に操られて出発直前の道節を襲う船虫。悪女というより可哀想な人だよなあ…。そして女でも全く容赦しない現八さんにキャラクターが出ていて楽しい。

○玉梓の支配から逃れるために腹を刺す船虫。全く、最後まで可哀想な目に遭うために出てきた人だった…正直、別に船虫でなくとも良かったと思いますが、「八犬伝に登場する敵方の女性=船虫」というイメージなのでしょうね。しかし道節と船虫というカップリングは(原作でも接点なかったし)意外ではありますが、他に女性とくっつけて面白い展開になりそうなのは復讐鬼の道節くらいでもあり、これはこれで面白いアレンジであったかと思います。

○籠山が浜路に対して「これは若くて美しい」と言ったときの菅野ちゃんの表情の変化が素敵。こうして見ると玉梓と対置されるのは浜路だったのかなあ。と、単身玉梓の秘密基地に乗り込んで浜路を救出する丶大法師。この人が一番役に立つ気がしてきた。その後もたった一人で蜘蛛忍者たちと大立ち回り。さすがだ!

○蜘蛛忍者たちと駆けつけた犬士たちの対決。ここで籠山と単身対決するのが信乃というのはどうなのかなあ。浜路を挟んでということでしょうが…。そして犬士として覚醒した嬉しさに空中大回転して突風を起こす親兵衛。さらに道節が追い打ちファイヤー。これは使える。

○絶対どこか別の国の軍隊としか思えない管領・公方連合軍の皆様に対して、遂に八人勢揃いして名乗る犬士たち。もうちょっと決めポーズとか欲しかったですが(それじゃヒーローものだ)やっぱり八人勢揃いは心躍るなあ…。そしてナントカ無双なみに攻めてくる人たち相手にどうするかと思ったら、親兵衛の風+道節の火の合体攻撃。この二人だけで滅茶苦茶強そうだ…

○しかしやっぱり多勢に無勢。そりゃあ八犬士が増えたくらいで戦況が覆せると思えないよなあ…原作では色々と作戦や計画を仕掛けて戦って勝ったから納得できたのですが…と、突然妙に強い敵が出てきたと思ったら、本作のアクション監督も務める坂口拓さんでした。

○里見義実を追いつめる玉梓と、そこに駆けつけた浜路と信乃の対決。通常の武器は効かない玉梓ですが、浜路の持つ八玉の数珠が輝き、それと呼応するように村雨丸の刀身にも輝きが…この辺りは素直に美しいシーンでした。そして玉梓もバッサリですが…これで玉梓の恨みも浄化できるの?

○と思いきや、富山(?)で倒れ伏した玉梓の前に伏姫が。玉梓に対する伏姫の優しい心が、玉梓の心をときほぐしたか、ようやく玉梓も成仏。「何やら疲れた」という玉梓の台詞が印象的でありました。正直、碧也ぴんく先生の「八犬伝」とほとんど同じオチではあるのですが、まあこれはこれでよしとしましょう。しかしこれ、玉梓が調子に乗って里見城に乗り込んでこなければ確実に里見は滅んでましたな

○信乃が、里見義実がテーマっぽいことを言い出す。玉梓でなくとも綺麗事をと言うかもしれませんが、まあいいんじゃないですかね。綺麗事が綺麗事でなく成立したのが原作の世界と言えなくもないですし…ただ、道節が復讐をあきらめたのは、ちょっと唐突感あったかなあ。

○そして主人公カップルの婚礼でめでたしめでたし。何だかお人形さんみたいで微笑ましい二人ですが、個人的にはそれ以上に荘助とぬいさんの律儀者カップルの方に目が行きましたよ。

 といったところでしょうか。八犬士それぞれについても述べておけば

犬塚信乃(滝沢秀明):可もなし不可もなし、というところで。過ぎるくらいの甘いキャラクターは似合っていたとは思います。
犬川荘助(佐藤隆太):全身からお人好しオーラが感じられて良かったかと。ぬいさんとお幸せに<これは意外なカップリング
犬山道節(小澤征悦):原作ではもう少し線の細いイメージがありましたが、これはこれで良し。船虫との関係については上にも書きましたが、色々な意味で面白かったと思います。
犬飼現八(押尾学):なかなかいいキャラクターだったなあ…我が道行くバカという感じで素敵。いや、現八のことですよ。
犬田小文吾(照英):いつもの照英さんでした。これはこれで良し
犬坂毛野(山田優):山田優さん自体は素敵ですが、やはり毛野とは少し違うような…あと、腰の入っていないチャンバラは本当に勘弁していただきたい。動ける女優さんの方が少ないですが…
犬村大角(勝地涼):雛衣が出ないのでキャラはちょっと薄かったですが、知識バカのオーラが漂っていて素敵。チャンバラは毛野の次くらいにヤバイ感じでしたが
犬江親兵衛(山下翔央):こちらも可もなし不可もなし。原作から一番キャラが変わっていますが、原作では無敵キャラ過ぎるのでまあ仕方がないですか。


 以上、ずいぶんと長くなってしまいましたが、「里見八犬伝」の感想でありました。
 前編後編通しての感想としては、なかなか良かったのではないのかな、というところでしょうか。八犬伝と聞いてこちらが思い浮かべる有名どころのシーンはほとんど押さえられていましたし、わずか四時間弱のTVドラマという制約の中で、うまくまとめて見せた、という印象です。
 船虫のキャラように、やりたいことはわかるけれども、うーん…という部分もありましたが、総じて致命的な「やってもうた」感がなかったのが大きいかもしれません。
 もの凄く面白い! 大傑作! という作品では正直ありませんが、正月休みに家族全員でのんびりと肩の力を抜いて見る分には良いドラマだったと素直に思います。


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