「水戸黄門REVOLUTION」 これは夢か幻か…?
二年ちょい前、TVの水戸黄門が千回記念ということで、特番が放送されたり、ムックが発売されたりとプチフィーバー(ほんとにプチ)だった時がありました。その頃にですね、一冊丸々水戸黄門ネタ、というアンソロジーコミックが発売されました。それがこの「水戸黄門REVOLUTION」。
いや、水戸黄門アンソロジーという時点で既に半ばアレなんですが、凄まじいのはその内容。あまりにもナニなのでこれは自分の妄想の産物だったんじゃないかとしばらく記憶の底に封印していましたが、部屋の片づけしていたら現物が出てきたのでここに紹介。
アンソロジー本と言えば気になるのが作家陣ですが、それがまず凄まじい。目についた方の名前を挙げただけでも、ビック錠/江口寿史/三浦みつる/えびはら武司/みのもけんじ/泉昌之/大地丙太郎…いや、時代漫画の顔ぶれじゃないですよこれ。
そしてこれまたアンソロジー本にはつきものの巻頭イラストも、里中満智子/一峰大二/山田ゴロetc.と謎のメンバー。里中先生なんて、かげろうお銀の入浴シーンのカラーイラスト描いているし、これは何というか、闇の組織(トップが水戸黄門ファン)が業界に圧力をかけて一冊作らせたんじゃ…と台湾とかでは実際にありそうなエピソードを思い浮かべてしまったくらい謎の本であります。
が、もし本当にそんな組織があったら、きっと怒り狂ったろうなあ、というくらい飛ばしているのがその内容。三浦みつるの作品は、黄門様以外いつものメンバーが何故か全員女性という内容だし、えびはら武司は黄門ネタといいつつ「まいっちんぐマチコ先生」描いているし、泉昌之は黄門様一行がシブくおでん食べてる作品だし(ただし後半で大暴走)…一峰先生の巻頭イラストも、サングラスに髭モミアゲのいかにもな監督はじめとするスタッフが、黄門さまの前で笑顔で土下座するという謎イラストで、とにかく豪華な執筆陣が、そのパワーを何だか大変な方向に発散している、という内容になっています。
その中でも、黄門様の少年・青年時代を描いたビッグ錠と、黄門様が自分の家臣・藤井紋太夫を手討ちにしたという史実(?)を搦めて柳沢吉保との対決を描いた左近士諒の両先生の作品が、時代ものとしてきちんと成立しているのですが、そちらの方が逆に浮いて見えるという…
しかしそんなアレコレも、もうどうでもよくなってしまうのが、みのもけんじ先生の作品。「嵐山スターウォーズ」というタイトルを見ただけで何となく予感がしたんですが…あの伝説の名作「プロレス・スターウォーズ」を、水戸黄門の世界で描いてしまったという奇蹟の怪作。特訓中に山賊の野下猪羅(ノゲイラ)兄弟に襲われて窮地に陥った助さん格さんを、徳川将軍に仕える伝説の二人組・馬場と猪木が助けるという…
何だか書いていて、自分がUFOとかUMAの目撃者になった気分になってきましたが、本当にあったんですよそんな作品が。あまりに面白いので全頁スキャンしてうpしたいくらいですが、そんなことをすると逮捕されてしまうので、この作品については稿を改めて紹介する所存。
「水戸黄門REVOLUTION」(日之出出版)
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