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2006.05.05

「無限の住人」第19巻 怒りの反撃開始!


 いつまで続く不死力解明編…と待ちくたびれていた「無限の住人」、前の巻で凛たちが江戸城地下の秘密実験場に突入して動きが出てきましたが、この巻ではこれまでに積もり積もったものを吹き飛ばすかのようにアクションと剣戟のつるべ撃ち、久々にむげにん流アクションを堪能いたしました。

 まず最初に血祭り(笑)にあげられるのは、狂気の実験者と化した蘭方医・綾目歩蘭人。ようやく万次と再会した凛の前に現れたのが運の尽き、さんざん解体された万次の! 万次を追って苦闘を続けた凛の! 実験の犠牲となった数知れぬ無辜の民の! そしてそして、さんざんかったるい(あ、言っちゃった)展開につき合わされた俺たち読者の! 怒りをこめたかのようにほとんど格闘ゲーム並みの乱舞を食らわせるのには、全くもって溜飲が下がりましたよ。

 そして復活した万次が対峙するのは、万次を上回る剣力を持つ吐鉤群。一度は完敗した相手に、弱った体で如何に立ち向かうか、と思いきや、実に(ドラマ的に)見事な手段でもって吐に一撃を食らわせてくれて、これまた実に気持ちが良い。虫けら同然に扱われた弱き者の怒りと怨念が込もったかのような逆転の一撃は、お見事と言うしかありません。

 が、そこで戦いは終わらない。さらに万次の前に立ち塞がるのは、あの山田浅右衛門その人。弟子との絶妙の(?)連携の前に窮地に追い込まれる万次と凛がまさに絶体絶命の危機に陥ったときに助っ人に現れたのは、まさかの大復活を遂げた逸刀流の心優しき巨人・夷作で、これまた大盛り上がりの展開であります。
 そして万次に代わり首斬り浅右衛門に挑むのは、逸刀流の爆弾娘・瞳阿。一度は愛する者を奪われた怒りで圧倒するかに見えた彼女ですが、実力もキャラクターも変態級の浅右衛門はその力を上回り、さあどうなる! といったところで万次が元祖不死人の貫禄を見せて復活…という盛り上がったままでこの巻おしまい。

 思わず感想を書いているこちらがテンション高くなってしまいましたが、それだけの爆発力を持ったこの巻。溜めが長すぎてどうなることかと思いましたが、それだけ待った甲斐があったというものです。いよいよ不死力解明編ラストとなる次巻も楽しみです。

 そういえば武器フィギュアも買わないとなあ…


 …と、全くどうでもいい話なのですが、このシリーズで繰り広げられる「実験」の黒さと、登場キャラのキレっぷり、どこかで見たなあと思っていましたが、あれだ、サムライガンでした。


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