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2006.05.24

今週の「Y十M 柳生忍法帖」 心の糸が切れるとき

 さて、シバQの不意打ちにより床下に転落した十兵衛とお圭さん。落ちた先は…加藤家江戸屋敷で殺された犠牲者たちの骸が浮かぶ水の墓場。深い穴を登る手段はなし、登ったとしてもそこに待ち受けるのは五本槍(…代表? の一眼房)と怒りに震える加藤明成。戦闘不能となったお圭を守りつつ、さらに自らの正体を隠すため盲人を装ったままで戦うことを余儀なくされた十兵衛(片肌脱ぎでサービスサービス)の運命は…もうだめかもしらんね。

 ということでまさに必殺の死地に陥った十兵衛とお圭。「柳生忍法帖」前半のヤマ場、水の墓場の段に突入であります。
 正直なところ、花地獄のそのまた下に広がる地獄というべき水の墓場のおぞましさは、原作ほどねっちりとは描きこまれてはいないのですが(描かれてもあまりうれしくないけどなあ)、それを補ってあまりあるほどのキツさを見せてくれたのが本作オリジナル展開。

 水の地獄の骸、その中には竹のくつわをはめられた男の死体が…そう、物語冒頭で悲惨な運命を辿った堀の男たちの死体が。それを目の当たりにしたお圭の悲しみがどれほどのものか――
 もちろん、それが果たしてお圭さんの夫の遺骸かはわかりませんが、愛する者の死に目に会えなかった者として、そこに大した違いはない。思わず我を忘れるのも無理はないお話であります。まったく、せがわ先生も人が悪い。

 かろうじて十兵衛に守られているものの、既にお圭の顔に浮かぶのは、自棄とも諦めともつかぬ表情。考えてみれば十兵衛と共に囮となって以来、
・十兵衛との偽新婚初夜でドキドキ
・バカ殿にあわや手込めに
・漆戸虹七郎に一歩も引かぬ気迫で対峙
・死地に陥った上に夫?の遺骸と対面
と、(最初のはともかく)かよわい女性にはちと酷な事態の連続に、もはやお圭の心の糸は切れる寸前。
 果たしてプツンと切れたときにお圭はどうするのか、ワクテカしながら(っておい)待ちたいと思います。

 …あ、十兵衛先生もがんばれ。

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