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2006.06.01

「松平長七郎旅日記」 良くも悪くも大らかな…

 学陽書房人物文庫で復刊が続く村上元三先生の松平長七郎シリーズも第三巻目、「松平長七郎 旅日記」が登場です。
 タイトルに旅日記とある通り、謎の一団の陰謀に立ち向かうため、江戸を離れて京に、さらにその先に旅をする長七郎の活躍が描かれます。

 本書は「~旅日記」と「白妖鬼」の二編を収録。前者は、元婚約者からの救いを求める声に、幕府転覆を企む謎の万字組の陰謀を追って京に向かう長七郎主従が描かれ、後者は、京に滞在していた長七郎が、琉球王朝の秘宝を巡る争いに巻き込まれる、という内容となっています。

 正直なところ、前者は光文社文庫版で既読だったのですが、伏線らしきものが置き去りになっていたり、謎のはずの敵の首領の正体が、登場した瞬間にわかってしまったり(これは以前読んだときも同様だったので、既読のせいではないですよ)、何ともその…まあ大らかというか何というかな内容。
 それに対して後者は、時代活劇では比較的よく扱われる琉球王朝ネタではありますが、長七郎がお見合いする羽目になったり、その相手の姫君が謎の鬼面の一党に誘拐されたりと展開も二転三転、秘宝の行方と拐かされた姫を追って、京から西海の孤島、そしてさらに西へと場面転換も多く、飽きさせない作りとなっていてなかなか楽しめました。ラストで明かされる真相もちょっとだけ意外でしたしね。

 と、上記の通り、何とも大らかなところもある作品ですが、肩の凝らない大衆時代活劇と考えれば、十分以上に楽しめる作品であります。ある意味、ライトノベル的と言いますか…(こう書くと怒られるかな、あちこちから)


 …と、ここからはマニアの話。掲載順及び作中年代で見ると、「旅日記」「白妖鬼」の順で並んで問題ないのですが、作中の描写を見ると(宅兵衛さんとおれんさんの関係とか)どうもつながりがよろしくない。おそらくはこの二作品、連続して書かれたものでなく別々に書かれた作品なのだろうな、と思いますがあくまでも想像なので、一度調べてみたいと思っています。


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