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2006.07.13

「松平蒼二郎無双剣 陰流・闇始末 宿命斬り」 新旧レギュラー集結!

 松平蒼二郎が活躍する第二シリーズ「松平蒼二郎無双剣 陰流・闇始末」の第三巻にして最終巻が発売されました。第二巻に引き続き、京の悪公家・綾小路公望の倒幕テロの標的とされた弟たちを守るため京に向かった蒼二郎と相棒の忍者・百舌丸の死闘旅が描かれます。

 個々人の力量は抜きんでいても、敵は奸計と、数にものを言わせる布陣で蒼二郎らを迎撃。大井川の渡しでは蒼二郎に押し込み強盗の濡れ衣を着せ、鈴鹿峠では山賊に身をやつして二人を襲撃するなど、バラエティに富んだ(?)作戦で蒼二郎と百舌丸を苦しめます。
 しかし、本作のクライマックスは京についてから。更なる策として、蒼二郎のかつての仲間たち――伝説の侠客で今は船宿の主の辰次、町医者ながらその体躯を活かした豪剣の遣い手・丈之介、そして茶道具による戦闘術・武家手前を操る美女・澄江の、三人の闇仕置の仲間たち――に目を付けた公望は、蒼二郎を愛する澄江を誘き出し人質に取るという手段に出ます。

 …が、澄江を、そして何よりも蒼二郎の危機を見過ごすことの出来る辰次と丈之介ではなく、彼らもまた京へ。かくて、ラストは新旧レギュラーが入り乱れての大殺陣が展開される次第であります(しかしこれ、完全に公望の作戦ミスだよな…)。
 この辺りの盛り上がりは、自身も時代劇ファンであり、どうすればファンがヒートアップするか知り尽くしている作者ならではの見せ方だなと感心いたしました。

 個人的には、いつの間にか澄江さんが随分と剣呑な人になっていたり、丈之介がいつの間にか澄江さんに想いを寄せていたり、相変わらず百舌丸が心配になるくらい蒼二郎ラヴだったりと気になるところがないでもないですが、それは全体の面白さ・魅力からすれば小さいところにすぎないでしょう。
 シリーズラストを大盛り上がりで終えてくれたのは本当に嬉しいことですし、ようやく人としての幸せを掴んだ蒼二郎には、まずはお疲れ様と言いたいところです(…などと言いつつも、第三シリーズの開幕を心待ちにしていたりもするわけですが)。


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