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2006.07.21

「takeru-SUSANOH~魔性の剣より-」第2巻 魔剣クサナギ覚醒す

 劇団☆新感線の舞台をベースとしたジャパニーズ・ファンタジー第二巻は、起承転結の承とも転とも言える内容。神の剣を守る女戦士たちの国・蛇殻国で伝説の男たちとして認められた三人のタケル――イズモノタケル、クマソノタケル、イズモノタケル――に、運命の変転が襲いかかることとなります。

 三人のタケルの歓迎の宴に沸く蛇殻国。しかしその隙を突くかのように、神の剣を狙う大国・天帝国の軍勢が襲いかかります。そしてその混乱の最中、遂に目覚める剣。だがしかしそれは神の剣などではなく、人の心を狂わせて殺戮に向かわせ、そしてその血を吸った相手を己の僕に変えるという呪われた魔剣でありました。
 そしてその魔剣、名をクサナギ(ここで「薙」がれる「草」が何を指すか、にはちょっと感心しました。なかなかうまいネーミングです)に、あろうことかクマソが魂を奪われ――という急展開。かくて、天帝国、クマソ率いる呪われた死者の軍団、そして真の神剣を手に入れるべく急ぐイズモとオグナの二人のタケル、という三つ巴状態となって、物語はいよいよ混沌とした様相を呈してきたところです。

 このあたりの殺戮と裏切りにまみれた混沌たる舞台設定、場面描写、そして人間関係は、なるほど新感線テイストだな、と感じますが、面白いのは、下手に描くとどうしようもなく生臭くなってしまいそうなこの世界観・ストーリーが、本作ではドラマ性を失わせない程度にうまく緩和されて――舞台上の新感線作品がそうであるように――いるところ。
 この辺りは、中島かずき氏の脚本もさることながら、むしろ絵を担当する唐々煙氏の力ではないかな、と感心いたしました。

 さて、いよいよ物語は佳境に突入。正体が明かされたオグナ、出自の一端が語られたイズモ、そしてクマソにも何やら因縁がある様子で、ドラマ的にもキャラクター的にも、この先がいよいよ楽しみでなりません(個人的には、寡黙な暗殺者・オグナがイズモと触れ合うことで徐々に人間的な感情に目覚めていくくだりが、ベタではありますがやはり印象に残りました)。
 原作舞台を見ていないので、先が全く読めない、というのもこれはこれでちょっと得した気分ですね。


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