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2006.07.18

今週二回目の「Y十M 柳生忍法帖」 縛りと小物感に関する考察

 十兵衛が春花の術(白土流)を使ったので驚きました<それは違う漫画
 さて、一週間に二回の「Y十M」は、加藤明成恥辱編の後編。これまでの悪行を考えればもっとねっちり晒されっぷりを描写しても良いような気もしますが、やっぱりいいです、絵的に楽しくないから。

 が、短いページ数の中でも面白かったのは、松平伊豆守の登場。原作では伊豆守は、無言でまじまじと明成の様子をながめるだけで、言葉責めは因縁の伊達政宗の役だったのですが、漫画の方では伊豆守が声をかける、という形に変更されています。このあたり、ケイトさんのところでも触れられていますが、ネチネチぶりが原作よりパワーアップしていて、それでいて短いページにまとめあげられているのはなかなかうまい演出かと思います。

 ついでに原作と比較してみると、後半の明成と七本槍の会話シーンも、かなり編集されていることに気付きます。原作と比べるとちょっとあっさりかな、と思わないでもないですが、漫画としてのテンポという点から考えれば、これは正解かと思います(正直、庄司甚右衛門が登場した辺りはテンポがかなりナニでしたからね)。

 ただ、これは原作からして仕方ないのですが、今回の描写から浮かび上がってしまうのは、七本槍の悪役としての限界といいますか。結局は江戸の幕藩体制・封建体制の縛りの中で動かざるを得ない、お家大事になってしまう辺りから、やはり小物感漂います。原作ではあまりそういう印象はありませんでしたが、漫画になって動きがついたことで、コミカルさが増したからそう思うのかもしれません。これはこれで面白いし、一種ギャグパートなので気にしすぎかもしれませんが…
 が、よくよく考えてみれば、こうした縛りには敵方のみならず味方側にも存在していること。こうした縛りを利用して物語を面白くするのは山風の真骨頂ですし、何よりも、この縛りがあってこそ、後半に飛び出す、十兵衛の時代小説史上に残る名台詞が生きてくるので、それとの対比という点からも、これはこれでいいのでしょう。

 それはさておき、ここ数週の丈之進は面白すぎる。存在自体が面白いシバQや、最近一挙手一投足が愉快な廉助さんなどに負けず劣らずの体を張った活躍には、思わず応援したく…はなりませんが、今週の明成様からのしばかっれっぷりなどはGJの一言に尽きます。


 あと、せがわ先生の更新日記この記事に吹いた。

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コメント

公式HPによると、史実を優先した結果らしいですね。
気が付かなかった、不覚。

投稿: 冬至楼均 | 2006.07.25 20:50

次回の「Y十M」更新の時に書こうかと思いましたが、僕も気付きませんでした…不覚!

投稿: 三田主水 | 2006.07.25 23:15

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