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2006.09.09

「獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇」第四話 「割れた宝玉」

 野宿するしぐれのもとから宝玉を奪ったつぶて。獣兵衛はすぐにつぶてを取り押さえて宝玉を取り返すが、そこにヒルコ忍群くノ一・あざみが操る、大蛇の如き木の根が襲いかかる。木の根に巻き付かれた宝玉は二つに割れ、片方は根に持ち去られてしまうのだった。仲間の蛇男・白蝋が獣兵衛の足止めをしているうちに宝玉を持って逃れるあざみだが、そこに鬼門衆の狐火が現れ、宝玉と彼女の体を奪うのだった。その場に駆けつけた獣兵衛は狐火と対決、狐火の操る奇怪な蛾の群に苦戦しつつも狐火を一刀両断。が、既に宝玉の片割れは鬼門衆の本拠に運ばれていたのだった。

 秘宝争奪戦を描いた物語での定番展開の一つは、宝へと導くキー・アイテム(一番多いのは地図)が、二つに分かれて敵味方に分かれてしまうというものですが、この第四話はまさにそういう展開。冒頭で宝玉が二つに割れ(というか二つの玉に変化し)、それぞれの争奪戦が行われることになります。
 が、ストーリーに絡むイベントはこれだけで、後はひたすら三つ巴のバトルバトル。もっとも、ストーリーは極力シンプルにして、後は忍法合戦を集中して描くというのは、これはこれで正しい選択かと思います。

 そして今回登場するのは三人の忍者ですが、その中でもとにかく鬼門衆の狐火のキャラクターが強烈。外見的には、「キャプテン・フューチャー」のアンドロイド・オットーと、「コブラ」のクリスタルボーイを足して二で割って体内で火を燃やしたというか…要するに無毛で肌が白っぽい感じだけど透けていて、腹の辺りで青白い火が燃えているという変態ぶり。さらに声を当てているのが若本規夫なのでもう大変。
 若本氏は、オリジナルでは盲目の剣士・現夢十郎の声を当てていましたが、あちらが渋くて格好良い若本とすれば、こちらは変態の若本。いちいち無駄にリキの入った声で怪忍法を操り、久川綾あざみを犯し、獣兵衛を追いつめるという暴れぶりで、なかなか楽しめました。

 が、肝心の狐火の忍法というか能力が今ひとつ…基本的には毒鱗粉を放つ無数の蛾と、人間大の巨大な蛾を操る能力、さらに腕から無数の縄状のものを放つ能力を持つのですが、これが上記の個性的な外見とどう結びつくのかが、映像からだけではさっぱりわからない。
 例えば、同じ回に登場したヒルコ側のあざみと白蝋は、デザインモチーフに能力を暗示するものが盛り込まれており(というか白蝋はまんま蛇なので暗示もへったくれもないのですが…ここまで来るともう赤影というより変身忍者嵐の世界だなあ)、それが一つのキャラクター性ともなっているのですが、狐火の場合はそれがどうにも結びついて見えない。
 もちろん、それはそれで一つのセンスなのですが、キャラクターを構成する要素それぞれが自己主張をしてしまっているようで、座りの悪さというものを感じたのが正直なところです。


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