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2006.10.24

「天保異聞 妖奇士」 説三「華江戸暗流」

 さて少し遅れましたが「天保異聞 妖奇士」説三。先のエピソードは前後編的な扱いでしたが、今回は一話完結、とはいえ登場以来妖夷との積極的な戦いを避けてきた主人公・往壓が、遂に奇士として戦うことを決意するという意味では、一続きのエピソードと言ってよいでしょう。

 さて、冒頭から登場するのは前回倒した妖夷・山子を料理して奇士一同がそれを食らうという場面。奇士たちが、倒した妖夷を後で食らっているというのは、既に放送開始前から聞いていて、それが果たしてどのような意味を持つのか、非常に気になっておりましたが、そのまま直球で楽しそうに食べていたのでちょっと驚かされました。
 しかし、洋の東西を問わず、異界の食べ物を食べるというのは、その世界のモノと同じ存在になることを意味する伝承は多く存在します。如何にこちらの世界に現れたものとはいえ、妖夷を食べるというのは、彼らもまた…ということになるのではないかと心配なのですが、さて。既にほら、他の食べ物に魅力を感じなくなっているし…
 それにしても一番こういうのを毛嫌いしそうなイメージのある小笠原様まで嬉しそうに食べているのにはちょっと驚きではあります。

 そして物語は、奇士にスカウトされるもそれに反発する往壓の姿と、既に一度顔見せを行った巨大妖夷・列甲の跳梁が、並行して描かれます。
 前回のエピソードに登場し、下総に移り住むこととなった(妖夷による事件の関係者に新しく人別と住む所を用意して処理するというやり方が、如何にも幕府の秘密機関らしくてよいですな)たえ・央太母子と共に行き、貧しくとも平穏な暮らしを選ぶか、それとも奇士として戦うか…そのどちらにも違和感を抱く往壓が、なりゆきから戦うことになった列甲は、ある老武士の売られてしまった鎧への狂的な執着心が生み出した妖夷。
 ここで対峙することとなる往壓と老武士は、一見全く似ていないようですが、これまで異界から――それと同時に現実から――逃げていた往壓と、老いて曖昧になったとはいえ現実から逃避して架空の武勇伝の世界に閉じこもってしまった老武士とは、ある意味近しい存在と言えるでしょう。
 それまで楽な方向は気にくわないと言いつつ、奇士という立場から逃げていた彼が戦う気になったというのは、この老武士や、央太やその父のように、自分以外に異界に触れて、それに囚われた人間の姿を目の当たりにしたということが大きいのでありましょう。

 にしても、結局は自分で自分が納得できるだけの理由を探していたというのが、いかにもちょっと屈折した大人の男っぽくて良かったですね。人間、年を重ねれば重ねるほど素直な行動は取りにくくなって、世間体やら対面やらなどと言いつつ、結局は自分が納得できる理由を探すようになっていくもの。別に現実から逃避しているわけではないですが、往壓とはあまり年の変わらぬ身にとっては、彼の複雑な想いというものが理解できるような気がします。

 さて、そんな人間ドラマの一方で、奇士たちと妖夷との戦いはと言えば、これがちょっと残念なことにおとなしめ。結局アビの銛(?)撃ちも、えどげんのバズーカも、ましてや宰蔵の巫女さん変化もさして妖夷にはダメージを与えられず、往壓が半ば偶然老武士と出会って漢神の力で妖夷本体を祓わなければ、さてどうなっていたことか…(小笠原様? 彼はワイルド7における草波さんみたいなもんだからいいのだ)
 もっともこれまでは全体設定と往壓の紹介編と言うべきエピソード、これから妖夷と豪快に戦う彼らの姿が見れるのでしょう…と思ったら次回の妖夷はどうも小型のようではてさて。

 ちなみに宰蔵の巫女変化、うっかり「ほ~っ」と思って見てしまいましたが、後になって「アレ、結局あの姿に何の意味が…」と疑問符だらけに。そこで公式サイトを見てみたら「衣装を巫女に変えて舞うと妖夷を鎮めることができる」とあってまた「ほ~っ」。でも男装している時の方が可愛く見えるのがなんとも。
(個人的には宰蔵や、ましてやえどげんの巫女姿よりも、生活に疲れながらもなんかものすごく杉野昭夫キャラな眼差し(それは全員共通ですが)のたえさんが気になっていたのでここで退場は残念至極)

 あと、鳥居耀蔵の放尿シーンとか(…もしかして時代劇史上初なんじゃないか、耀蔵のそんな姿が描かれるのは)爺さんのTバック姿のアップとか、説一の男湯シーンに並ぶスタッフの限りなきチャレンジャー魂には感服いたしました。もっとやっちゃえ。

 何だかまとまりがなくなってきましたが、今回はここまで。


関連記事
 「天保異聞 妖奇士」 説一「妖夷、来たる」
 「天保異聞 妖奇士」 説二「山の神堕ちて」

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