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2006.10.28

「抜刀復讐剣 居合の開祖・林崎重信」(再録)

 「抜刀秘伝抄」の続編。母の墓参に訪れた甚助の前に、かつて父の仇として討った坂上主膳の息子が出現、自分を父の仇と呼んで襲ってくる姿にショックを受けた彼は剣士としての生き方に疑問を感じ、剣を捨てようとするも…
 という甚助絡みのストーリーが縦糸。そしてそんな甚助に嫌気がさして飛び出した弟子の新之助が、かの伊達家の名臣・片倉小十郎の実家に転がり込んだことから最上家の御家騒動に巻き込まれる様が横糸として描かれています。

 そんな今作で――いや今作でも――浮かび上がるのは、戦国乱世にあって剣術家として、そして人間として生きていくために傷つき、それでも立ち上がり歩き続ける甚助の姿。ある者は復讐心から、ある者は忠誠心から、またある者はお家復興のために剣を振るう中で、自分を高めるために、そして自分の大事なものを守るために剣を振るう甚助の姿には共感できます。そしてそんな甚助の生き方が、ある歴史的事実につながったことを暗示するある意味非常に伝奇的なラストは、静かな感動を与えてくれました。
 もちろん、今回も見事な剣戟シーンは健在。特にクライマックスの、今弁慶の異名を取る金砕棒使いとの死闘は、剣対剣の戦いとはまた別の迫力とインパクトがありました。次回作が今から楽しみです。


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