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2006.10.20

今月の「コミック乱ツインズ」 大ベテランの凄み爆発!?

 今月も買いました「コミック乱ツインズ」誌。久々に「黒田三十六計」が掲載されていましたが、平田弘史先生の凄みを、これまでとは別の方向から味あわされました(後述)。以下、個人的に印象に残った作品を。

「泣く侍」
 表紙は物辺を救った旅芸人一座の主ですが、いきなり怖すぎる絵面。それもそのはず、この老人は敵の忍び衆も恐れる凄腕で…そんな人に救われ、また旅芸人一座は子供たちばかりと、何だか物辺の周辺が随分賑やかになって、ちょっと違和感(ヒドス)。が、そんな中で伊藤さんの方は相変わらずの既知外っぷりで安心しました。

「真田十勇士」
 名高い真田の赤備えが家康本陣に突撃、その中で遂に筧十蔵・三好清海入道・望月六郎・三好伊佐入道の四名が壮烈な戦死を遂げることに。前回の後藤又兵衛ら同様、まさに「血笑」としか言いようのない表情を浮かべて死んでいく勇士たちの姿には、ただただ圧倒されました。
 特に印象に残ったのは、突撃前に鉄砲の達人・望月六郎が幸村に対して告げた「家康が陣中に攻め入ったその先は――鉄砲を投げ捨ててもよろしゅうございますな?」という言葉。戦場から戻ることを期しない覚悟を、サラッと言ってのけるのにはやはりしびれますし、それに対して「すまんが、みんなの命をくれ!」的に答える幸村の姿にもまたグッと来ます。こういうのを見て熱くなるのは、悔しいけど、僕は、男なんだな…という感じでしょうか。
 次回は巻中カラー44ページということで、あと連載は二回というところか。

「のざれ鴉」
 のざれ鴉の異名を持つ若き無敵の侠客を描いた読み切り短編。作者の佐藤修弘氏は、以前コアマガジンで新影の軍団のコミカライズを担当していた方ですが、あまり従来の時代劇画的でないシャープな線が印象的でした。内容は、まあ目新しいところはないのですが、こういう絵柄の作品をフッと載せてくるのが「ツインズ」誌のいいところだと思います。

「黒田三十六計」
 前回、山名豊国を自陣に迎えた官兵衛ですが、豊国は自分の誠を見せるために、つい先ほどまで自分が城主だった鳥取城攻めの先陣に加わることに…という悲壮感溢れるはずのお話しなのですが、不思議なユーモアが感じられるのは平田節というべきでしょうか。豊国についてきて、自分も馬上勇ましく奮闘する(というより豊国より明らかに強い)側室のビジュアルがいかにも平田女傑で感動しました。
 しかし今回一番印象的だったのは、織田軍と鳥取城の対峙シーンを描いた見開きページの微妙な(?)手抜きっぷり。背景を描くのが間に合わなくなってしまったのでしょうか、「二萬から六萬の軍勢を描くのは時間的に辛いので文字で省略ゴメンネ」と、あの筆文字で書いてしまうすっとぼけぶりには苦笑しましたが、その後の合戦シーンの見開き四連発は、もうほとんど絵物語状態。しかしこの見開きがまた実に迫力十分で、手抜きというよりむしろ超大ゴマで迫力を出すためにわざとやっているのでは!? と思わされるほど。対峙シーンの背景省略は、このためにインパクト配分を計算した前フリではとすら思ってしまいました。
 個人的には、何が嫌いといって、下書きのままだったり背景が真っ白だったりする原稿を出してくる作者(とそれを許す編集者)ほど嫌いなものはないのですが、今回はそんなこざかしい気持ちもどこかへフッ飛ばされました。今更ながら平田先生のパワーとテクニックにうっとりです。

「五右衛門 戦国忍法秘録」
 いきなり秀吉の元に潜入の五右衛門と服部半蔵、秀吉に肉薄しますが、何だか全般的に急ぎすぎの印象。実はネネは○○だったというネタは面白いですが、とにかく展開が急すぎて、単行本一巻ペースか!? と余計な不安が沸いてきました。しかし、天井に張り付いた秀吉のサルっぽすぎる動きは細かいギャグとして笑えますし、半蔵を人質に取られた五右衛門が巻物をくわえての「半蔵の命なんぞ屁とも思わねえ 早く殺さねえとこの巻物喰っちまうぞ!!」という石川イズム溢れすぎる啖呵は素敵でした。


 ダラダラ書いた割に今ひとつ締まらない文章ですが、今回はここまで。

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