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2006.11.26

「修禅寺物語」(再録)

 岡本綺堂の戯曲…ではなく、それを元に小説化されたものです。
 さほど長い作品ではありませんが、登場する人物それぞれの描き方の鮮やかさはさすがで、ことに(今さら採り上げるのも気恥ずかしいですが)あのクライマックスの夜叉王の鬼気迫る姿は、やはり何度見てもうならされます。というかうなされそうです。よくこの作品(戯曲の方)を評するのに「芸術至上主義」という言葉が使われますが、いやもう、そんな美しい言葉ではカバーしきれない凄絶さでした。
 この小説版は、綺堂が頼家の墓前で「修禅寺物語」のエピソードを幻視するという趣向で、最初それが煩わしさにつながるのではないかと失礼なことを考えましたが、それは言うまでもなく杞憂。かえって物語(それが生々しい人間の有様を描いたものであるのに)の幻想性が高まる結果となったと言えましょう。特にラストの綺堂と夜叉王の対話は、上記のクライマックスを更に押し進めたものとして、非常に印象的、というかむしろこのラストのためのこの小説構造だったのではないかとすら感じました。


「修善寺物語」(岡本綺堂 光文社文庫) Amazon bk1

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