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2006.12.03

「天保異聞 妖奇士」 説九「面と怨」

 宰蔵篇(?)第二回の今回は、前回が起承転結の起とすれば、今回は承と転、狐たちの本当の狙いと、宰蔵の暴走、そして奇士たちの葛藤が描かれます。

 目の前で面に憑かれた宰蔵を止めようとする往壓、やけに堂に入った拳銃捌きで(色々とやんちゃしてた頃の経験が…ってことはないか)宰蔵を文字通り足止めしようとしますが、宰蔵は見事それをブロック。そして、宰蔵にそんな超人的能力を発揮させたのも、そして前回からの面事件も、狐さんたちの仕業ではなく、「無慈儺」なる妖夷のせいでありました。これはミスリーディングでしたが、既に物語の焦点が宰蔵の方に移っていたのでちょっとぼやけてしまったかな。

 それにしても、劇中でも言及されていたように妖夷にも怪獣みたいなのから妖怪みたいなの、神様みたいなの色々いるようで、ちょっとややこしい。あんまり入り組んだ設定だと後で自分の首締めたりするんじゃ…などと余計な心配はしないで、いろんな妖夷がいるんだなーくらいに思っていた方が心穏やかに番組を楽しめるようです。でも雲七は確かにややこしすぎる存在だ…
 ちなみにここで入る化猫の話は、確か「耳嚢」からのエピソードだと思いますが…やけに可愛らしい狐(が演じる猫)の声、どこかで聞いた声かと思ったら、番組放映開始前の特番に登場した山崎バニラの声でちょっとびっくり。

 さすがに江戸中のお稲荷さんを相手には出来ぬと一時退却した往壓は、宰蔵を救うべく行動開始――と思いきや、突然、いなり寿司を作ることに。一体どうして!? と思いきや、いなり寿司をお稲荷さんにお供えして、あの狐の妖夷のリーダー格の豊川狐を呼び出して何と協力を持ちかけます。
 さすがに神様と崇められる存在だけあって、己の片腕を喰われたにもかかわらず(もっとも、最初に宰蔵を巻き込んだのはこちらの方の方ではありますが)、協力してくれる豊川狐さんですが…やっぱり本当に豊川稲荷のお使いだったのか。
 東京の豊川稲荷は今の赤坂駅・赤坂見附駅の近くにあるお寺で、劇中ではさらっと言及されただけですが、かの大岡越前が愛知の豊川稲荷から分院して(大岡越前の領地は愛知)祀ったもの。246沿いながら今なお緑が多く、参拝客の絶えないところで、実は私も年に何度かお参りしていますが、さすがにこんな美人に出会ったことはなくて残念(当たり前)。

 そんな個人的な話はともかく、上役たる跡部様に呼び出された小笠原様は、江戸中の妖夷が宰蔵の力で活性化していることを知らされます。いかに蛮社改所がアウトローの集まりとはいえ、その上にあるのは要するに官僚機構、お偉方の言うことには逆らえぬ、逆らえば蛮社改所解散!(またか)…というわけで小笠原様は宰蔵抹殺を請け負うことに。もちろん往壓がそれに従うわけもなく、「幕臣風情が!」と妙な啖呵の切り方をして飛び出しますが――
 ちなみにこの妖夷の活性化現象、江戸各地の七不思議に加えて、お菊さんやお岩さんのような半分フィクションな存在までも実体化させられるとは…何だかこの辺り、ちょっと朝松健先生の逆宇宙ものチックでで興味深いところです(稲荷の妖夷増殖の理屈も、それっぽいしね)。

 そして往壓たちは、捜査の過程でかつて宰蔵の父がいた永楽座の役者だった男から宰蔵の過去、かつての中村座の火事について話を聞き始めますが、というところで以下次回。父を殺したと呟く宰蔵の真意は、果たして――やはり宰蔵が火を付けたということなのでしょうか。火付けは正直なところ、往壓の雲七殺しなどとは比べもつかない重罪であって――今回の狐たちと同様、ミスリーディングの可能性をむしろ期待したいところです。次回予告を観た感じでは何となく次で宰蔵篇完結な印象ですが…さて。


 それにしてもこの番組で一番大人なのってアビだなあ。みんなのお父さんって印象です。そしてお母さんが誰かは言うまでもなく。


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