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2006.12.18

「影忍・徳川御三家斬り」(再録)

 江戸城での死闘を終えた最強の伊賀忍者コノハズクは、一介の職人竹次として、江戸で平和に暮らしていた。だが富士講に出かけた同じ長屋の男たちが、富士で偶然に武田信玄の隠し金を発見、口封じのために惨殺されてしまう。苦しむ長屋の住人たちを救うため、再び立ち上がるコノハズク。だが彼の前には、幕府と尾張の熾烈な暗闘が待ちかまえているのだった。

 「刺客、江戸城に消ゆ」の続編。閉鎖空間での忍者同士の死闘が魅力の前作に比べると、舞台が江戸から尾張、そして富士山へと移っていく分、ストーリー展開が拡散してしまった部分があるのが少々残念。
 とはいえ、戦いを捨てていた伝説の男が、やむを得ず再び戦いの場に…というシチュエーションはやはり燃えますし、また、誰が敵で誰が味方かわからない(というより主人公がどちらについて何をするかわからない)点はなかなか面白く、それなりに楽しむことができました。

 しかしなによりも驚いたのはラストの大どんでん返し。前作のそれにも驚きましたが、今回のラストはそれを遙かに上回るインパクト。冷静に考えると大いに無理があるのですが、もうこれはやったもの勝ち。脱帽しました。是非続編をお願いしたいと思います。

 が、一つ気に掛かるのが、新刊予告段階でのこの作品のタイトル。「刺客、富士に立つ」というもので、前作のタイトルを引き継いでなかなか良い感じだったのですが、いざ発売されてみればタイトルはこの通りに。正直、このタイトル変更の意図が何処にあったか(…は何となく想像がつきますが)、そしてそれを作者と出版社側とどちらが決めたものか、少々気になりました。


「影忍・徳川御三家斬り」(風野真知雄 廣済堂文庫) Amazon bk1

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